meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

ポークカレー【KARLY】

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 なんだか最近、だいたいが寝る、食う、温泉行く、になっているような気がしてきたので、これは記録をとった方がいいんじゃないかと思い始めた。思い始めたのは、1ヶ月以上前だから、これはつまり怠惰である。まだ1つも記録らしい記録を書いていない。
 というわけで、今回はそんな試みの試みであり、わりと普通のブログっぽいブログである。前から気になっていたカレー屋さんに行ってきた。

●◯。。。...

 松江にはカラコロ工房というイベント広場があって、なにかやるときは大抵「じゃ、カラコロで」となる雰囲気がある。となると、自然、お昼ご飯はその周辺で食べることになるわけで、「そんじゃあ、ご飯でも行きますかー」と南殿町の路地に出ると、カレーのおいしそうな匂いがふんわり漂ってくる。「お、そういえばカレー屋さんがあったんだよなぁ」と毎回ちら見する。だけれどこれが、毎回の行列なのだ。2・3人が外で待っていて、美味しさを訴えかけてくるんだが、如何せん、そういうときには時間がない。また今度となって、いつかまたとなって、今になった。
 だから、今回は夜だった。「夜なら開いてるやろ」という思いつきが功を奏した。故に念願のKARLYだったかもしれない。

karlykarly.com

 店内は町家をリノベーションしたような雰囲気で、奥に向かって細長い。突き当りに2人がけのテーブル席が3つあって、その真中に通された。左側には30代半ばから後半に思える男女、右側には20代前半かそれより若い男女が座っている。なんだかそわそわしなくもない。

 とりあえずポークカレーを注文する。辛さが選べるってことだったので、わけも分からず2辛にしてみた。せっかくカレー屋さんに来たのだから、ちょっとは辛いカレーに挑戦したくなるものなのだ。辛いのには、そんなに強くないけど。
 そうこうしているうちに、右隣の若い男女にカレーが運ばれてきた。大きなお皿に、小さめのお椀をひっくり返したようなご飯の丘がポコリと出ている。こりゃあ、ちょっと量が少ないか、と心配になったのだが、それよりも、運ばれてきたカレーを無視してスマホのゲームを続ける若い男性がやたらに気になってしまった。女性の方はそれを注意するでもなく、何やら話しながら食べている。1分、3分、5分。まだ食べない。あったかい内に食べればいいのに、とお節介な感情が出てきたものの、そんなことを言う気は全くないし、相手にも聞く耳はないだろう。というか、あの男女はどういう関係なのか。兄妹のようで似ていなくて、カップルのようで仲良く見えない。未だにわからないのである。

 ポークカレーが運ばれてきた。たぶん、めっちゃ煮込んだんだろうなぁ、ってお肉がとろけて非常においしい。そして、辛い。2辛でもすんごい辛くて、汗っかきにはつらい。何度も額にティッシュをあてながらおいし辛いカレーを楽しむ。気にかかっていたご飯の量も全然問題なかった。ペターっとお皿に押しつけられた感じで、それなりの量が盛られている。右の男性もやっとこさ食べはじめたようだ。左の男女は既に食べ終わっていそうな雰囲気。女性の職場の若い子がスマスマの最終回の翌日に休んだとか、そういう話をしている。目が腫れて出られないくらい泣いたとかで、そんなわけないだろーと思ったらほんとにめっちゃ腫れてて笑った的な話が聞こえてきた。
 かっらいカレーと戦い、気がつけば満腹である。いやぁ、満足。会計を終えて店を出ると、汗をかいた身体に冬の冷たい空気がしみわたった。次も夜、そんでもって、もう一回ポークカレーだな、と思った。

 

m(_ _)m

 

 

 

ぎおんご ぎたいご じしょ  新装版

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無理が上から降ってくる、サラリーマン的哀しさについて

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 経営者ってのは、そんなもんじゃないの、と、名古屋で会った友達は言った。今の上司がさ、社会人になってから初めて出会うレベルの馬鹿なんだよね、と、東京で会った友達は言った。どちらも仕事上の話で、どちらも指示に関係する話である。
 一方は、大量の郵送タスクに対して、住所が与えられていなかった。他方は、2つのタスクがふってきたときに、優先順位が与えられていなかった。優先順位を確認したときの答えは、どちらもやれ、であったという。それでは間に合わない、が現実の状況である。
 あるある話だよなぁ、と思う。これがあるある話になっている、ってことに、ある種の哀しさを感じる。住所がないと言った友達は、もちろんそれを確認する術がなかった。名前と肩書きから、ひとつひとつ検索して、見つからんかったらどうするかなぁ、とボヤいた。

●◯。。。...

 仕事とは、そういうものである。と言われればそれまでだろう。なんせ仕事は上から下へ流れるものだからだ。逆流したり、中間あたりで流れがぶつかったりすることも多いんだけど、通常は上から下である。上の采配に口出すことはまかりならず、結果としてサラリーマンの悲哀が生まれる。
 三角形の底辺はわかっているが、高さは不明である。さぁ、面積を求めなさい。前職にいたとき、そんな指示を理不尽だと言ったことが、わたしにもあったような気がする。諫言は聞き入れられないところまでがテンプレであって、きょとんとした顔でこう言われるのだろう。高さがあるなら、面積は誰にでも出せる。高さを見つけ出すのがあなたの仕事ではないのか、と。当然、このコミュニケーションは成り立っていない。底辺の長さだけで三角形の面積を求めることは不可能なのだ。

 ここでは2種類のタスクを考えなくてはならない。固いタスクと柔らかいタスク、仮にクローズドタスクとオープンタスクと言ってみる。前者はパズルみたいなもので、パーツが揃ってないとどうしようもできない。後者は絵を描くようなもので、こたつとみかんとネコを描けと言われたとしても、それなりの自由度が残っている。前者は正確性が求められるし、後者は相手の好みに合ったものが求められる。これらはカッチリわかれるものではなくて、人によってもクローズ性とオープン性の度合いは変わってくるものだと思う。
 上に書いてきたような指示の理不尽さは、クローズだと認識しているところに、オープンな扱いがくるために起こると考えられるってことだ。まぁ、だからといって、このピースが足りませんよと伝えたところで、状況が変わりはしないだろう。上流の流れは上流でしか変更がきかないことが多い。未完成のパズルを未完成のまま、三角形の高さを目分量で適当に設定したまま、なんとなく完成したように見せかけて持っていき、意外とそれがすんなり通っていくというのも、また、あるある話だったりするのである。上もピースを全て持っているわけじゃなかったりするから、話は難しい(領収書なくしてたりね)。

●◯。。。...

 これらの曖昧を人間らしいと言って、可愛がることもできなくはないだろう。だけども、個人的には、もうちょい理を立ててくれないかと、思うことが多い。無理が通れば、道理がひっこむ。いつの間にか、これが大変に嫌いな言葉になってしまった。パンがなければ、お菓子を食べればいいじゃない。彼らはさらりとそう言ってのける。お菓子を選択できるのは、あなたがその地位にいるからなのだ。
 せめて、無理を無理だろうと認識するぐらいのことはして欲しいもんだ。困難と無理は決定的に違う。そういう良識を持った人が、ちょいとでも増えてくれたら、過ごしやすい世の中になるのになと、思う。

 

m(_ _)m