meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

「連携」のイメージ。


 「 連携 」ってのは、流行っつーか、なんかセオリー的になってる気がする。

 産業連携、産官学連携、市民との連携、、、、
 とりあえず連携しとけばいいや!ってな感じに見えなくもない。

 団体同士の連携ってのもある。
 学生団体で言ったら、SCANと愛ゼミが連携して活動してます、とか。
 NGOアースと、エンドゴールが合同でなんかコスプレします、とか。


 そもそもなんで連携するのかって考えれば、自分のところにないリソースが
 どっか違うところにあって、それを会わせればもっと大きなインパクトだったり、
 成果だったりが出せるからなんどろう。

 力を合わせてがんばろう的な、何かである。

 そしたら、世の中の団体が全部連携したら、すんごいことになるんじゃないか、
 とか思ったりするわけだが、これは、なんか宗教による統一っぽい気がして
 きたので、やめる。

 だいたい連携ってのは、win-winの関係が成りたたなきゃならん。
 この「 win-win 」ってのが厄介な代物であって、こいつがあるからこそ、
 なかなか連携ってのはうまいこといかないんじゃないかと思う。

 まぁ、利もないのに、力を貸すなんて、現実的でないのは認めるが、
 支援は人のためならず、結局何かが返ってくるものと信じれば、、、、

 って、それが難しいのか。


 そんなわけで、連携ってのはややこしい、ってのが私の認識である。

 
 じゃあどうすればいいかというと、もっと個人にピントを合わせた
 連携のあり方らしきものに、注目していったらいいんじゃないかと思う。

 団体同士の連携が難しいなら、個人がいくつかの団体に所属しつつ、
 団体間を飛び回ることで、じわじわっと連携するってイメージ。



【 みんなあっちゃこっちゃ動きまわれば、情報共有も自然と起こる 】


 例えば、前職のWeb系の業界では人材の流動化が非常に激しい。
 あの人辞めて、また誰か入ってきて、というのが日常茶飯事的に
 起こっている。

 これをブラック業界と捉えるのも1つだが、解釈のしようによっては、
 「 敢えて流動化させて、ノウハウの共有をはかっている 」と
 考えられなくもない。

 転職してきた人は、前の会社のノウハウを披露して、さらに改善していく。
 そんな構造が、故意か自然かできているんじゃないのか。


 NPO系の団体では、いくつかの組織に所属する個人がたくさんいるため、
 自然とそれらの情報共有やら、連携ができてくる。
 渡り鳥のように、あっちゃこっちゃ動き回ると、かきまぜられて共有が進む。
 しかも、団体同士の連携でないから「 win-win 」とか気にしないし、
 複数の団体に所属しているわけで、団体Aのノウハウを、極秘事項でなければ、
 団体Bのために惜しげもなく使うのである。

 この地域の団体を1つの旗の下に集めるなんて、どだい無理な話であるし、
 国家総動員的で、おもしろくない。

 人は、違うからこそ、相反するからこそおもしろいのだ。


 だから、個々人がもっと飛び回る。 1つの団体の枠を越えて。

 それが面倒くさくなくて、理想的な「 連携 」ではなかろうか?