2010.10東京報告 その2 GEOアンチテーゼ
東京2日目だから、10月2日の話かな。
前にGISについて書いてた。何かあの地理学教室を出た人間が
こういう地下活動的な勉強会を続けてるのって、自分で自分が
意外なんだが、実はまだ続けている。
場所と情報ってのは、興味が向かう方向の1つだ。
名前は「 地理学なんかやってられっか! 」と嘆いたかも知れない
立命館生が名づけた「 GEOアンチテーゼ 」の会(笑)
つまりはGISの勉強会。今回の会を見るに、なんだかGEOっぽい
人たちのコミュニティになりかけていて、結構楽しかった。
メンバーは、@yan_yakku をはじめとして、
@indy_kk 、 @ta_niiyan 、 @yaskondo 、 @wing83s
@erimts 、 @Nobacon415 などなど。
考古学、医療、都市心理、教育学と、さまざまな分野のGEOっぽい
人たちが集まれるところが、GISという切り口のおもしろさである。
だいたいの場合、どこの分野でもGISは分析ツールとして使えるの
だが、なんとなくどこの分野でも亜種というか支流に考えられてしま
ったり。はたまた、GISについてわかる人が少なかったり、という
状況は続いている。どの研究室でも孤独にGISと戦い続ける学生が
どれだけ多いのだろうか。
そんな状況で、こうやって外に出て、コミュニティの中で励まし合う。
それだけでも意味がある勉強会なんだろうなぁ、と。今回は特に思った。
都市心理学の研究してる東大の博士課程の人が、毎月京都に通って
GISのワークショップやってるってんだから、その孤軍奮闘っぷりは
推して知るべしだろう。
さて、特に印象に残った話を1点だけ。
G空間エキスポ報告をしてくれた@indy_kkの話からだ。
G空間エキスポってのは、要はこんな技術が出てきてますよ!もっと
振興させましょや!って感じで総務省だったかどっかが主催になって
開催した地図情報、位置情報系の技術博覧会みたいなもんである。
キャッチフレーズの「 いつ、どこ情報で暮らしが変わる、未来を創る 」
は個人的に結構気に入っている。
ああ、確かに変わるだろうな、と思うからだ。
位置情報のちょっとおもしろい未来を創る可能性がようやく認識されつつある。
なにより、おもしろかったのは@indy_kkの最後のまとめの言葉。
「 ここまで報告してきて、実は地図が全く出てきません。
これからは地図以外の方法で位置情報とリアルが結びついていくん
じゃないかと思っています 」
ってなことを言っていて、正直、驚いた。
どうしても地図好きだから、地図を前提に考える癖がある。しかし、確かに
セカイカメラを代表例として、もはやその場所の情報を地図で表現するという
ことをしていない。もっとリアルな感覚で結びつけようとしているのだ。
いわゆるAR(拡張現実)のひとつの形なのだそうだ。
コロプラとかの位置ゲーにしてもそうだが、もはやゲームがリアルに拡張して
きているのか、リアルがバーチャルリアリティに近づいているのか、って
感じではある。これからGPSの精度が上がって、数十センチ単位の位置情報
が得られるようになるというから、この分野の可能性はさらに広がっていくん
だろう。
最後に僕の望みを書いとく。
こういう技術が場所と人のコミュニケーションを支えるツールになって欲しい。
まだ、場所に関するコメントをそこに残していくような動きは出てこない。
本当はツイッターでできるのだが、なぜか浸透しない。セカイカメラも当初の
驚きに比べれば、あんまり普及していない。
もちろん、個人情報うんぬんの壁があるんだろう。
そこを乗り越えて、「 ああ、ここってこんな場所だったんだ 」と、
行く先々でその場所とコミュニケーションできるようなツールになって欲しい
なぁ、と、他力本願ながら考えてしまうのである。
( 場所とのコミュニケーションって考え方は、前の記事参照のこと )