meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

NPO職員が「 稼ぐ 」ことを考える。

 あけましておめでとうございます!年末年始ということで、例年通り
 の里帰りをしてきました。前にも少し触れていたかと思いますが、
 NPO職員の里帰りというのは、ちょっと特殊でして、やはり考える
 ことが多い。今回は新年1発目から、ちょっとダークな「 お金 」に
 ついて書こうと思います。

 ※あくまで、個人的に、感じていること、考えていることです。
   「 こんなことを考えてる奴もいるんだなぁ 」程度に見ていただ
   ければ幸いです。

【 NPO職員は、ワーキングプアであるか? 】

 例えば、こういう質問が出されたとして、「 YES 」と答えざるを
 得ない状況にあります。そこまで把握している訳ではありませんが、
 月の収入が手取りで15万円ちょっと。場合によってはそれより少なく
 なります。賞与は1年に1回あるかないかです。といっても、NPO職員
 としては恵まれている方なのではないかな、と思っております。

 <関連記事> 20代の若者が”心のキレイ”な人を食い物にしている
 http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1011/12/news006.html
  ⇒ 僕は心のキレイな人でもありませんが(笑)
 
 実生活上はこれで支障ない水準です。但し、パソコンや車などの設備
 系統の減価償却が実は追いついていなかったり、歯医者や眼科への
 通院費を足していくと。。。低収入であるがために、気を遣うべきところ
 への支出をためらってしまう。このままいくと突発するトラブルへの
 対応は不可能、もしくは実家頼りになります。厄介なのは、リスクは
 リスクであって、その危機が目の前に迫らないと見えないということ
 です。健康診断の制度ものないので、おろそかに、おろそかにとなる
 ばかり。いかんいかんです。現状を続けるわけにはいかないのです。


【 「 稼げない職業 」を誇れるか? 】

 以上のように、仕事に社会的意味を見出しつつも、NPO職員の「 稼げ
 なさ 」は一般的にみてワーキングプアのレベルです。これをネタにして
 笑えるのも、飲み会中のみ。いざ清算、支払いの場面になればその痛さ
 が身に染みます(苦笑) なにせ、みんなは社会人。誰もお金に困って
 いるやつなどいないのです。

 

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 毎回、毎度のことですが、年末年始には「 同窓会 」というものが
 あって、なぜか私が幹事をしていたりします。こいつは、自分で企画して
 おきながら何ですが、結構辛いイベントです。( 同窓会がどういうつな
 がりを生み出して、何に昇華されていくのかは再考しなくてはならんと
 思う今日この頃だったりします )
 今回、明らかになってしまったのは、うちの学科のトップランナーの年収。
 もはや一般に金銭欲がなくなるレベルの収入を得て、話していることと
 いえば「 遊び 」のことばかり。こりゃだめだ、と思いはすれど、20年
 30年先のことを考えてみても、どうにもこいつがこけてるイメージはでき
 ないわけです。人として魅力があって、賢い人間であることは確かな
 もんで。 ほんでもって、こんなやつが場にいればその優劣、主導権は
 火を見るより明らかに、そいつです。パラダイムは変わっておらず、
 その場において、ひっそりと排斥される。マイノリティに共通した感覚
 だと思うのですが、いかがでしょう?
 ( このブログを読んでる方は、きっとマイノリティだw )

 余程の信念がなければ、この場で自尊心を保てません。まだ、みんな
 が「 こいつはよくわからんが、まぁ、学生時代凄かったし 」って認識
 でいてくれているので生き残っていられるのですが。これが、フリーター
 であったらどうでしょうか?目標も意義も持てなくなっていたとすれば、
 この場に出てくることすらできないでしょう。今、自分の主催する場が
 そういう雰囲気を醸し出しているとすれば、、、何か手を打たねばなら
 んですね。

 そうそう、もちろんですが、家庭においても収入が低いことが問題視
 されます。当たり前です。すんません。。。m( _ _ )m


【 NPO職員は、稼げるか? 】

 これが、これからのソーシャルセクターにとっての1つのテーマで
 あることは、大昔からわかっていたことです。NPOへの就職は増えて
 きたものの、これから一般企業並み、あるいは、それ以上稼いでいか
 なければ、NPOで生きることは浸透しません。「 いやいや、稼ぐ
 とかじゃなくてね。新しい経済圏に生きるんですよ 」という声が聞こ
 えてきそうですね。それでもいいと思います。但し、今現在の一般
 の価値観を捨てる相当の信念が必要だと思っています。「 職員 」
 レベルにそれを求めるのはちょっと酷じゃないかなぁ、と。
 価値を認められるためには、今の土俵の上で戦う路線も必要なので
 はないでしょうか?

 さて、 では、 稼げるのか?

 この疑問に対して、私は私なりの個人的見解を持っています。私自身
 の頭で考えた結論は、「 結局、有能でなければ達成されない 」です。
 新しいパラダイム、考え方、思想、経済圏を志している分、一般の
 事業とは違ったアプローチが必要なのです。「 ただ稼ぐだけでは、
 ダメ 」で、理念に則った戦略が求められます。

 これは、やろうと思えばできるんでしょうけど、ま、有能でないと難しい
 タスクではあります。

 と、なると、残された道は、「 外で稼ぐ 」になります。これは、内部から
 稼ぎを出していくよりは自由にできる気がしますが、やっぱりそれなりの
 能力がないと追っつきません。週末起業に似ていますね。そもそもNPO
 職員としての定着にならず、これは勢い「 独立 」モデルになります。
 それはそれでありです。私自信もNPOに居続けるつもりはありません。
 2012年の3月には卒業予定だもんで、その先の役割を考えつつ、積極
 的に外に出ています。


【 では、NPO職員としての生き方に未来はあるのか? 】

 ここまで書いてきて、1つの可能性として、NPO職員へのセーフティ
 ネットはありだな、と気付きました。「 NPO 」と十把一絡げにして話して
 しまったので、漠然としたイメージだけですが。ただ、こういう働き方をして
 いる人のリスク分散を、働き手の中でやっていこうという動きはあっても
 いいのかもしれませんね。 根本的な解決ではありませんが。

 あとは、自分を安売りしないことも重要だと思います。私自身、もともと
 ニートだったこともあって、「 私なんて、私なんかを 」という気持ちの
 強いやつです。実際勤めはじめのころの感動といったら、なかったです。
 1時間働いた、1日働いた、そしたら、8,000円ぐらい貰える。じゃあ、
 今日は缶ジュースを買って、このお肉を買っても大丈夫。 ってね。

 実際、今でも貰い過ぎだなぁって思うことがあったり。
 こんなこと書いておきながらね(笑)

 この感覚が多いんじゃないかなぁ。特にニート経験者諸君w ほと
 んどが「 いい人 」なんでしょう。お金の取り方を知らないとか、ボラ
 ンティアでやってるんだから、とか、楽しいから、とか。実際そこそこ
 充実した働き方だから、また困ったもんです。

 


 見合う、見合ってない、その価値の出し方の尺度を、お金に求めている
 ことに違和感がないわけではありません。とはいえ、これだけNPOへの
 若者の流入が進んできている時代、職員個々の力に依存する体制
 では今後の広がりはないでしょう。そればかりか、1度足を突っ込んだ
 が最後、出れなくなって、志とともに沈んでいくなんて事態に、陥りかね
 ません。 僕も頑張らんとなぁ、です。


 新年一発目がこんなダj-キッシュなエントリーで申し訳ないm(_ _)m
 これからの「 職員 」の道筋をつくっていく1つのモデルとして、次の
 ステップをつくっていく1年のはじめに。