meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

ユカハリ @ Room-1984



 Room-1984に杉の無垢床を導入しました。



 どうにも2年ほど前に西粟倉村に行ってから、林業の問題に
 詳しくなってしまっていた。西粟倉にはこれまで合計5回行
 き、ついには森林ファンドの投資家にもなり、その他もろも
 ろの諸関係仕事関係でも林業系の事業を見てまわっていたり
 する。自然、「 木 」は身近になる。

 Room-1984を始めるときには、「 都市のアパートでどうや
 って国産材の比率を高めた生活をしようか? 」っていうテ
 ーマを持つぐらいにはなっていた。

 特に、無垢の木の感触ってのはお気に入り。どこで病みつき
 になったのかは覚えてないんだけども、気付けば、事あるご
 とに「 いいよねぇ~ 」「 いいよねぇ~ 」とつぶやい
 ていた。あたたかみがあって、さらっとしていて。「 無垢
 材の感触フェチ 」とでも言えるのかもしれないw

 ( ちなみに、無垢じゃないけど、クルミドコーヒーの地下
   にある大きな木のテーブルも大好物であるw )

【 クルミドコーヒーの地下 】

 そんな僕が西粟倉の「 間伐材でつくった無垢の床 」の導
 入を検討しないわけがなかった。ただ、つい最近まで、6畳
 埋めるのに8万円程度かかるシロモノで、単なるNPO職員
 にはつらい値段だった。床はできずとも、本棚ならば、、、
 と1度見積もってもらったこともあり、これも価格の壁にぶ
 ち当たる。

 「 国産材の比率を高める 」とか思いつつも、0%のまま
 半年近くが過ぎてしまっていた。


 「 新商品の床パネルができれば、相当安くユカハリができ
 る 」って話を聞いたのは2月ぐらいだったか?
 @tamachangg が家に来たときに、教えてくれた。「 床を
 50cm × 50cm のパネル型にすることで、1枚800円ぐらい
 にすることができた。そうすると、だいたい30,000円程度で
 6畳に無垢材を敷き詰めることができる 」そんな話を聞いた
 翌日には @ponsaka に問い合わせていた。




 適当にはられてネチネチするような畳や、木材にみせかけたよ
 うなフローリングシートには、もう十分辟易していたのだ。

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 『住まい』という現象は、たとえ我々が何年も前にそこを立ち去ったとしても、
 そこに支配され、そこから生活の仕方がさし示され方向づけられるような、抗し
 難いほど大きくて他に代え難いものである。
                          (V.Vycinas)
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 住む環境には、やっぱりある程度の想い入れを持って相対したい。




 リリースのお知らせがあった日の夜には、床を発注していた。
 杉の無垢床パネル( 節あり )16枚。並べると2m × 2m
 のサイズになる。送料込みでだいたい13,000円ぐらいかな。
 高い買い物であることに変わりはないが、手が届く商品にして
 いただいたことには、本当に、本当に、感謝感謝である。

 4月中に届くかなぁ、と気長に待ってたら意外と早くに届いた。
 「 ユカハリ会 」でもやろーかと考えてたんだけど、まぁ、
 我慢できずにダンボールをあけるよねw この日は小躍りして、
 並べた床の上でゴロゴロと過ごす。「 ああ、やっときちんと
 した木を家に入れることができたなぁ 」って感慨とか、
 「 いい買い物をして、きちんとお金を使えたなぁ 」って感
 覚とか、「 やっぱり無垢材の感触っていいよなぁ 」とか。


 よい消費をした満足感に満たされながら、
 そのまま杉床の上で眠ってしまった。



 これまで、西粟倉で重なってきたストーリーがここに引き継が
 れて、これから、汚したり傷をつけたりしながら、歴史が重な
 っていくんだろう。僕がこの床に対してどういうコミュニケー
 ションをしていくのか。それにどう応えてくれるのか。使い古
 されて出てくる「 味 」にも期待しつつ、大切に使っていこ
 うと思う。