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meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

島ヶ原、伊賀上野 【 hozpro 】



 伊賀上野に行ってきた。三重ってのはすごく気にかかる場所
 でありつつも、僕にとっては鬼門でもある。だいたいは三重
 への移動中に少しづつ気分が沈んでいく。これはまぁ、見慣
 れた景色だから仕方がない。どうにもストレンジャーになる
 ことができないのだ。

 伊賀上野へは名目上(?)仕事で行っている。伊賀上野駅
 ら1駅の「 島ヶ原 」ってところにある、「 hozpro 」
 に何度か伺わせていただいている。鬼門の三重ではあるが、
 名古屋からJR線を使っていくから、ストレンジャーになれ
 るということに、今回気付いた。鈴鹿山脈が文化の切れ目に
 なっているので、伊賀上野は三重出身の僕にとっても縁遠い。


 hozproの舞台、島ヶ原駅前の穂積製材所に来るのも、もう
 何度目だろう?わりと頻繁に行っているものの、距離感をつ
 かみにくいのは、僕の性格のせいでもあるし、仕事からつな
 がっていく感覚に慣れないせいでもある。

 hozproの活動はおもしろい。Studio-Lってとこが絡んで
 て、えーっと、詳しくは以下の記事を参照のこと。
http://www.kansai.gr.jp/j/art/report_detail_66.html

 主に、建築系の学生・若手社会人が、週末になると関西から
 流れてきて、この製材所の中で何かを作って帰っていく。休
 憩できる場所やベンチ。製材所の倉庫の中に寝どこ。木工作
 業ができる場所。デザイナーや建築家とつながりつつ、穂積
 製材所で「 仕事ではできないこと 」を試しているらしい。
 寝どこは、倉庫の中につくられているから、建築基準法を気
 にしなくてもいいそうだ。

 建築系の学生にとっても、「 木 」を扱える実践の場って
 ないそうで( 学校ではコンクリートの建物のことばかり )
 hozproでの経験は貴重なのだ。


【 寝どこ がならぶ倉庫 】

 今回は初めての泊まりがけ、ってこともあって、現地に住み
 こんでしまったスタッフさんと大いに遊ぼうと心に決めてい
 た。まさか、伊賀上野の読書会に参加することになるとは思
 っていなかったがw

 自然豊かなwど田舎、島ヶ原は、意外に伊賀上野の市街地に
 近い。車で10分ちょっともすれば、スーパー、チェーン店、
 本屋、映画館、ボウリング場、スーパー銭湯が立ち並ぶロー
 ドサイド的な街に行ける。この位置関係や生活感を感じられ
 ただけでも、泊まりがけの収穫は大きい。 案外、便利な場
 所だったのだw



 そして、さすがに伊賀。忍者の里だけじゃない。小京都の街
 並みに、古民家の多さ。平日の夕方は、下校する中学生も混
 じって落ち着いた数の人通りがある。混雑する京都よりも趣
 があるんじゃないか、とさえ感じる。

 歴史のある街は、いい。おそらく、みんなここの文化に浸り
 ながら、生活を営んでいるんだろうと思う。その土地の誇り
 は、変にねじ曲がるときもあるけれど、やっぱり、そこに住
 む人が豊かに生活するのに必要なもんなんだろう。街に漂う
 嫌気というか、疎外というか、そんな感じはあんまりない。

 僕が訪問者だから言えることなのだろう、けど。

 歴史がある街は、衰退と言っても、まぁ、なにかに残ってい
 くだろう。そもそも歴史がない街なんてないんだけど、歴史
 があるって言えることは、そこに価値を見出したり、尊厳を
 もってる人がいるってことなんだと、思っている。



 読書会はこの建物のカフェで行われた。登録重要文化財で、
 大正11年築の、自転車倉庫w 建てられた当初は、相当
 ハイカラだったんだろうな。この地域で、大正で、3階建て
 だったってんだから。

 建物内には自転車を上げ下げする滑車もあったという。その
 後、いくつか用途を変えながら、今のカフェになる前は普通
 の事務所として使われていた。内装の凝り方、店員さんの文
 化人っぷりには、ちょっとびっくりしてしまう。

 毎週やっているという読書会には、いつも1~2名ぐらいが
 来ているそう。若手の社会人が多いのかな?主催している店
 員さんが27歳だからか、自然、そういう雰囲気になる。こ
 ういう文化的( 草食的? )で、若めで、集まれるところ
 は本当に貴重だ。特に現地に住みこんでしまったスタッフに
 とっては。。。

 学問についてもそうだし、芸術とか、文化とか、そういった
 ものって、やっぱり地域差がある。近くにいい本屋さんがあ
 ったり、美術館があったり、TUTAYAがあったり。実際の場
 を持たないと崩れていく何か、ってのはあって、その部分で
 支える個人の趣味であったり、こういうカフェの価値ははか
 りしれない。「 結局は、人だよね 」って言葉は使い古さ
 れてはいるものの、真実だろう。その人の意識を高めたり、
 センスを高めたり、するのは、こういった場所であったりす
 るんではなかろうか。




 夜は現地のスタッフの家に泊まる。 とにかく広い。

 2階には20畳ぐらいあるんじゃなかろうかというぐらいの
 大広間がある。もう、旅館の宴会場に近くて、驚きの広さで
 ある。この家も、地元の方から声がかかって借りることがで
 きたもの。島ヶ原で空き家を探していても見つからず、穂積
 製材所の2階で寝泊りしていたら、ガソリンスタンドのおっ
 ちゃんが、「 そんならこの家つかってもいいぞ 」と貸し
 てくれたらしい。

 ここはいい宴会場になるんだろうなぁ、とか考えつつ、寝袋
 にくるまる。これから、現地のスタッフがどれだけこの場所
 を掘り起こして、つくっていくのか。名古屋にいながら、ど
 ういう風に応援していけるのか。とか、思い浮かべつつ。


 それにしても泊まってみないと見えないものって、多いな。
 生活が見えたから、感じられたからって、どうこうするもん
 でもないんだけど、同じ世界を知っておくことってのは、な
 にか大切なんじゃないだろうかなぁ。
 












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