カバンを修理に出したのははじめてだ。
修理に出したのは月光荘画材店のカバン。ショルダー、リュックの2wayで、普段使いに活躍するオレンジ色のやつだ。修理できるカバンにしては安く、たしか4年ぐらい前に、7000円ぐらいで買った。就職活動か何かで東京に行ったとき、だったかな。「 修理もできて、長年使われる方もいらっしゃいます 」と、古いカバンを見せてもらった。布が日に焼けて、ほとんど黄色になっていた。もとはオレンジだったというカバンを見て、「 おお、ここまで使い込んでみるのも楽しそうだ 」と思ったのをおぼえている。
まもなく、愛用のカバンとなる。
あっちゃこっちゃ連れまわし、パソコンも入れるし、カメラも入れる。一眼レフを買ってからは、さらにごつく、重たくなった。ハードカバーの本なんかも入れるから、画材店で、絵の具や筆やスケッチブックを運ぶためにつくられたこいつも大変だったろう。
2~3年前ぐらいに側面の布が破けたんで、ジーンズの生地とタコ糸でなおした。そして、この前の冬、2月。伊賀からの帰りに、金山駅でついにファスナーが壊れた。ファスナーの取っ手が外れてしまい、ついに自分ではなおせなくなってしまった。
ちょうど東京行きの予定もあったから、銀座まで持っていった。「 名古屋から来てて 」と言うと、店員さんはおどろき、喜んでくれた。なんか持っていった僕もうれしかった。
そして、先日、名古屋に帰ってきた。
【 側面の破れた部分にも、新しく布をかぶせてもらった 】
僕はどっちかというと、モノにも霊的な何かが宿ると思う方である。というか、そう思った方がおもしろいと考える傾向にある。だから、よく使うモノには名前をつけることもある。破れても、なんとかなおそうとすることが多い。 裁縫は下手なんだけどw
大切に、丁寧に扱っているわけじゃないんだけども、「 思い入れ 」やそこに重なる歴史ってもんがあるんだろうと、考えている。 だから、月光荘のカバンのように、製品にも歴史や思い入れがあって、修理もできて長く使えるものってのは、好きだ。
ちなみに、月光荘は大正6年創業の画材屋さん。純国産の絵の具を初めてつくった店でもある。昔っから包装紙を使わず、初めて行ったときも袋は必要ですか?と聞かれて、欲しい、と言ったら高島屋だかどこかの紙袋が出てきてびっくりした。詳細については以下の記事を参照してみてほしい。
>>【 月光荘のWebサイト 】
>>【 月光荘についての記事 】
(どちらもリンク先のページがなくなってしまいました。。。)
トレードマークのホルンは「 友を呼ぶホルン 」 単なるカバンでも、歴史と理念を知るだけで、見え方が全然違ってくる。