ツールに底流する考え方ってのには気をつけていたはずなんだけど、
そーいえば、今使っている言語や文字の裏面ってのは意識したことが
なかった。
( ツールの裏側については、結構前にカレンダーについて書いた )
最近、白川静を知って、やっと漢字が東洋文化の上に成り立っていた
ことに気づく。我ながら無知で粗雑なことをしていたことだなぁ、と
思い知らされた。それ程に、僕の知識は浅い。改めて自覚する。
( 『 白川静 漢字の世界観 』を読んだ )
漢字ってのは「 絵 」だよね、みたいなことをエンデが言っていた。
( 『 ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと 』参照 )
たしかどこかで読んだのだが、表意文字がこんなに根付き、残ってい
るのは漢字ぐらいらしい。この意味をあらわす文字から、逆に東洋の
文化に迫ったのが白川静だったようだ。1冊読んだだけなので、詳し
いことは、本に任せる。漢字ってこんなに深い意味があったのかと驚
くと思う。おすすめ。
具体例を2つだけ挙げてみておく。「 道 」は異族の首をかかげて
歩き、威嚇をしたことに由来する。だから、「 首 」が入っている。
また「 兄 」は、もともと神の言葉を入れる「 口 」( サイ )
という容器を、家族の中で兄が捧げていたことが原型らしい。このよ
うに、漢字には東洋の文化・思想が底流している。
各論を挙げればキリがない「 漢字論 」だが、総論をまとめるにも
ちょっと骨を折りそうだ。白川静はこれら各々の漢字にある原型を体
系だってまとめたそうだ。残念ながらそこまでは理解できていない。
というか、白川静自身の著作にあたらなきゃいかんだろう。う~ん、
「 積ん読 」がどんどん増えるなw
ただ、意識しておかなければならないのは、言語や漢字も、そこに何
かの理念や考え方や思想や文化やなんやの、ある種の偏りを含んだツ
ールであるということだと、思っている。人はツールに底流するもの
に影響を受ける。メディアはメッセージ、つまり、ツールそのものが
メッセージなのだ。ツールはロールとルールにも関係していく、とか
がそんだけ大きな力を持っていることは確かだと思う。
言語を超えて、Out of Boxにならなきゃ~、とか言うつもりはない。
漢字や言語の成り立ちを意識しておくこと。そんで、もうちょっと作
られた「 想い 」への敬意があってもいいのかもしれない。
とはいえ、深くて、複雑だ。