meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

プロボノの支援スタンス 【個人的なまとめ】



 支援ってのは、古今東西、津々浦々、実に様々な考え方のあるもの
 で、それをどうこう言ってしまえるわけでもない。だから、あくま
 で個人的な感覚なんだけど、プロボノってのは「 割り切り型の支
 援 」なんだなぁ、と思ったことがあった。支援先のどこをお手伝
 いするのか、きちんと線を引く。そういう応援スタイルだ。

 比較して考えてみると、わかりやすい。僕が知っている事例では、
 SVP東京( ここのメンバーもプロボノなんだろうけど )と対
 照的な位置にある。SVP東京は、支援先の団体に入り込んで、そ
 れこそがっつりお手伝いする。起業家が本当に何をしたいのかを問
 い、理念の見直しから入ることさえある。支援先団体の理事になる
 こともある。のめり込んで、持てる力を発揮していくのがSVP東
 京なんだと思う。

 また違った意味で対極にあるのが、うちだろう。それほどノウハウ
 を提供するわけでもなく、ただ、付き添うような支援のあり方。そ
 ばにいて、見ている・待つような感覚がなくもない。ある意味で
 「 できない支援 」なのかもしれない。そんなんでいいのか?と
 いう疑問もないわけではないんだが、やっぱりこういう支援もアリ
 なんだろう。

 僕自身もこんな職に就いていながら、特に何かアドバイスできるわ
 けじゃないので、なにか相談されても話を聞いているだけ、ってこ
 とがよくある。そんでもって、そんでいいんだろうと思うようにも
 なって( しまって? )いる。この辺はSFCnagoyaのメンバー
 と集まると非常によく感じる。「 あせらず、待つ 」系が僕の担
 当なのだ。


 さてさて、こう見てくるとやっぱり支援は多様である。その中で、
 プロボノは、誰もが自分の力を発揮してお手伝いできるようにする
 ために、もしくは、支援先団体自身の考え方を尊重するために、敢
 えて割り切る。線を引く。具体的に言えば、「 Webサイトの立ち
 上げ 」などのプロジェクトをつくり、そいつを支援先団体から切
 り出して、メンバーで進める。プロジェクトが終われば、メンバー
 も解散する。「 一生付き合うわけじゃない 」前提がしっかり反
 映された仕組みで、それが手軽さを産む。忙しい社会人が会社外に
 一歩を踏み出すきっかけになる。

 社会的企業非営利団体について特に言えることだと思うけども、
 支援先の理念や思想がわかっていないと、うまくお手伝いできない
 のではないかな、と感じていた。経営の相談ったって、理念を共有
 していないと、わりと的外れになるんじゃないかと。でも、そうい
 う理念や思想は往々にして伝わりづらい。つまりは、支援しづらい。
 ビジネスをやってる人がNPOの現場を見るようなもんだから、感
 覚は合わせづらい。

 そんな壁も乗り越えつつのプロボノなんだろうなぁ。
 って、あんまりプロボノに詳しいわけでもないんだけどさw