meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

きむたくに住んでいます。

 そんなわけで、きむたくに住んでいます。どちらかというと、棲みついているって表現の方が正しいかもしれません。勝手に荷物を運びこみ、勝手に自分空間を形成してしまいましたw 西粟倉のスギ床はここでも健在です。きむたくにはもともとヒノキ床があるので、さらにニシアワー率が高まりました。あと職場にはヒノキのデスクがあるので、なんだか木に囲まれた生活をしているようです。
 住み始めて1週間ほどが経ち、やっと休日も貰えて、自宅でゆっくりする時間も取れました。まだまだ生活環境が整っているとは言えませんが、それなりに快適に過ごせています。正直なところ、こんなに快適に住めるとは思っていませんでした。何とかなるもんですね。いや、この状況をつくり出すのも大変だったんですが(笑)

 ここに住んでみて、1番に思うのは「 やっと人間の住むところに来たのかもな〜 」ってことです。いや、今までだっていい環境にいたとは思うんですけども。鳥の声とか、虫の声とか、カエルの声とか、そういうのがあるのがいいなぁ、と。外れとはいえ名古屋市なので、そんなにチュンチュン、リーリー、ガァガァ聞こえてくるわけじゃありません。ふとしたとき、歩いていると、少し聞こえてくるぐらいです。引っ越してきてスグだから、敏感になってるからってこともあるんでしょう。ホーホホ、ホー、と聞き覚えのある鳥の鳴き声に癒されます。川も近く、河川敷の緑にも、空の広さにも、驚きます。ここならランニングしてみようとか思えるなぁ、って感じに。

 幹線道路沿いはやっぱり名古屋だから、車がひっきりなしにガーガー通ってます。今までは通り沿いに 住んでたので、それが当たり前でした。寝るときにも、朝起きても、車の音と一緒でした。パソコンの音量は常に大きくしておかないと、動画の音が聞こえないぐらいです。別に音が気になる性格ではなかったので、それはそれとして不満なく生活していて、一転、この閑静な住宅街に紛れ込むと無音です。びっくりするぐらいに、パソコンのキータッチが響きます。車の音がないって、こんなに静かなものだったんですね。音量を絞って音楽を聴けるのは、贅沢なんじゃないかなと思います。

 きむたくは駅から徒歩30分弱かかります。この前は実測で25分でした。交通の便は悪いです。だから、周りの家はみんな車持ちです。スーパーやコンビニにも遠い。だけども、歩いていけない距離ではないです。これぐらいの不便さは丁度いいのかもしれません。歩く道も、不快でなければ、そんなに苦にならないのかもなぁ、とか考えながら歩いています。息が詰まっていたからこそ、少しでも息ができると嬉しくなるような、そんな感覚でいる気がします。鈍麻していた体が、少しずつ動いてきているのかもしれません。体力的にはキツイですけどもw
 比較的アパートも少なく、一軒家が多い地域です。昔からの建物もあれば、新しそうな建物もあります。高校生から小学生まで、子供も見かけます。たぶん、安定した家庭なんだろうなぁ、と思います。晴れた河川敷を歩く親子、休日に洗車するお父さん、部活帰りっぽい高校生。ちゃんとした生活があるんだろうなぁ。
 もしかしたら、アパートはどこまでいっても仮住まいなのかもしれません。いつか離れる土地に、それでも愛着を持って住むことができる人は、そう多くないのかもしれません。一軒家は、そこに住む覚悟のあらわれなのかもしれません。一見、何にもなさそうな住宅街は、そんなことを考えさせてくれます。僕自身は、どこまでいっても仮住まいな生き方をしてますがw


 若いときには可能性があって、年をとるごとに狭まっていくんだろうけども、それはたぶん、自分に適したところに落ち着いていくってことでもあるんだろうなぁ、と、この街の落ち着いた雰囲気の中で考えていました。もちろん、まだまだ可能性の荒野の只中にいます。ただ、なんとなく、これからつまらなく、くだらない人間になっていくんだろうなぁ、ってのを感じていたりします。それも、単なる予感でしかなくて、意外と前向きに捉えていたりもして、なんだか不思議な感じなのですが。



m(_ _)m


星の王子さま (新潮文庫)

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