meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

もう動画の時代になってきてるんだろーなぁ、って話。


【 社会イノベーター公志園の中部支援会いってきまして 】

 なにを時代遅れなことを言ってるんだ、って言われるかもしれませんね。いまさら感が満載です。youtubeが出てきたのが2005年とかで、ニコニコ動画が2006年ごろからで、そこから8年ぐらいが経ったことになります。最初の頃は、CGM、こんしゅーまーじぇねれいてぃっどめでぃあ、って言葉が流行ってたりして、市役所の職員が観光動画をつくってアップとかしてました。素人がとりあえずデジカメとかで動画撮ってみて、アップしてみる。有象無象のチャレンジが生まれていたのではないかな、と思います。
 そんな動きが一周して、一旦、やっぱり素人に動画なんて扱えないよねぇな雰囲気が流れて、動画は一部の職人的な人たちだけが持つ特殊スキルになりました。テレビだけが覇権を握っていた時代とは違って、市井の中にも撮影スキルを身につけた猛者どもがいる。それはいいけれども、みんなが持つリテラシーにはなっていない。周囲の人はその猛者たちを頼るようになるから、猛者はさらに技術を磨いていって、どっちかというとデジタル・ディバイド的な、差が開いちゃった状態になっているのではないでしょうか。
 ニコニコ動画でも、コンテンツは一部のつくり手たちによってつくられていく。撮影技術/編集技術がやたらに高い投稿者がいる一方で、グダグダな動画は嫌われるから新規参入のハードルは高まってしまう。動画は一旦、一般庶民の手から離れてしまいました。

 でも、たぶん、そうじゃないんですよね。インターネットが読み書き算盤に匹敵するベーシックなスキルになってきたのと同じで、キレイな写真がスマホで誰でも撮れるようになったのと同じで、そろそろ動画からも逃げられないのではないかと思うのです。
 この前の土曜日に「社会イノベーター公志園」に行って参りまして、ここでもえらいたくさんの動画を見せられました。というか、もう、ほぼ、ひたすら動画なんですよね。登壇者のプレゼンテーションはパワーポイントじゃなくて、動画です。動画見たあとで、生の語りが入る。それでプレゼンテーションは終わりでした。それだけでも驚きの構成だったんですが、さらにびっくりすることに、動画は登壇者がつくってるんだそうです。さらっと説明飛ばしましたが、登壇者って、いわゆる社会起業家です。それも結構長い期間活動している経営者だったりもします。たぶん、めっちゃ忙しい。そんな人が動画を制作してる。なんじゃこりゃ、と思いました。
 つまり、最先端を走るためには、そのリテラシーが求められてくるってことを見越しているんだと思います。動画を撮るにはどうすればいいか、動画をつくるにはどうすればいいか、動画を撮られるにはどうすればいいか。
 Coursera(コーセラ)などのMOOCSを見てみても、同じ傾向が現れています。いい講義は Video Presentation がいい。今までは大学の講義をそのまま撮影してインターネットに流すってことしかしていませんでした。iTunes U はそのモデルです。それがMOOCSになると、MOOCS用の動画が撮影される。もちろん編集もされます。教える教授たちも、それを前提にしている。だから、どういうことができるか、どれぐらい手間なのか、どう撮影されるか、から逃れられない。動画に関するリテラシーがある程度必要になってきます。(MOOCSは日本でもはじまりますね。gaccoは4月からです。ヽ(´ー`)ノ)

 リテラシーなんて、そんなのわかる奴に任せりゃいいじゃないか、と思われる人もいるでしょうね。個人的にはそれは間違いだと思います。第一に、何ができるのか、どのぐらいの労力がかかるのか、を知っておかないと撮影者を潰してしまうからです。これはどんなことでも同じでしょう。写真だって、撮影にどのぐらいの技術や集中力が必要なのかを知ってる人と知らない人では依頼の仕方が違います。(ま、プロならそれも含めて依頼者に伝えるのかもしれませんが)
 第二に、動画が読み書きにとって変わる可能性があるからです。これはさすがにぶっ飛んだ発想かもしれません。ただ、活版印刷の発明から、いや、それ以前から人間はテキストに縛られてきました。法律だって、契約書だってテキストです。このテキストの壁を、動画技術の発展と広がりが壊してしまうかもしれないのです。契約書が動画になるなんてイメージできないと思うけども、活版印刷ができる前は文字が大量に印刷されて本になるなんてイメージできなかったわけです。もし、テキストを離れていくとしたら、これは人類史的転換の時代になります。そんな変化が、足元から着実に起きている気がするのです。テキストより、スタンプの方が気持ちが伝わりやすいって、LINEが示しましたし。

 さて、こうなってくると、触れておかなければならないのがHanamichiの動画インタビューですね(笑)。知る人ぞ知る婚活サイトです。というか、まだサービスインしてないか。
 そのサービスの中に男性へのインタビュー動画があります。これを撮られたときの衝撃も結構なものでした。自分がどれほど撮られ慣れてないか(笑)。そして、ふつーの人が撮られる機会が増えてくるんだろうなぁ、ってことも感じました。インタビューが終わったあと、これから街の写真屋さんは動画屋さんになっていくんだろうね、って話をHanamichi仕掛け人のこーへー君としたのを覚えています。

 一周まわって、これからは二周目。動画撮影を人に任せつつも、その基礎的な部分をある程度しっかり掴んで、もしくは、1回ぐらい動画をつくってみるのが必須のような、そんな時代になってくるんでしょう。それにあわせてブログも変化します。動画ブログが少しずつ出てくる。何気ない日常を動画で記録する人が出てきて、プライベートな日記も動画になる。何年かかるかわかりませんけども、そんな世界が待ってるんでしょう。ちなみに、写真やテキストはその位置を変えてながら、生き残っていくと思います。



m(_ _)m