meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

あの島にいってきた。

 ご縁があって、海士町に行ってまいりました。海士町といえば、あの海士町ですね。地域活性化とか、まちづくりとか、ソーシャルビジネスとかの文脈では全国的にものすごく有名になった離島です。現在は島の高校入学者の半分ぐらいは島外からになったという、それだけとってみてもなんだかもんのすごい島なのだなということがよくわかります。
 そう言えばいつだったか、名古屋のゆらり庵というシェアハウスで海士鍋みたいなのをやったような、そんなことを思い出します。いつか行くだろうな〜、でも、とーいんだよなあ、とか、考えているうちに足が遠のいてしまっていたので、「こんなのあるんで行きませんか〜?」という誘いに何の考えもなしにひょいひょいの乗っかってしまいました。誘われたのが出発3日前ぐらい。いろいろと調整して「このプランなら行ける!」と確定したのが出発前日です。こういうことができるのが、ニート期間の強みでもあるってことですな。(;・∀・)

 ということで、今回はそんな旅日記なのです。

◎。。。...


 ぐちゃっと荷造りして、電車に飛び乗り、1日ガタゴトして米子に一泊。翌朝はバスで1時間弱ゆられて、七類港へ。さらにそこからフェリーで3時間程。合計すると1日と4時間ぐらい?かけてお昼過ぎ、やっとこさ島に到着しました。もう完全に秘境っぽい行程です。こんだけかかるとほんとに端っこまできた感じがしますね。
 幸いなことに、旅は晴天なり、晴天なり、非常に気持のよい風を受けての船旅になりました。本土を見送ったときの海面は緑で、島を迎えたときの海面は青。こんなに透明度の高い海を見るのは初めてではないかっ!と驚くぐらいにキレイさです。なんぞこれわ。夏の日差しと相まって、南国気分になってきます。ええ、わかってます。隠岐なんですけど。


【 水の透明度が半端じゃないんですが、この写真で伝わるかな。。。 】

 着いてみれば、意外と普通の町でした。本土から離れているとはいえ、それなりに土地があり、人口もある。隠岐で固まっている4島を合わせると2万人ぐらいは人がいるそうです。海士町も一見、ふつーの田舎にみえるし、どっちかというと、ふつーの田舎よりはちゃんと家も店もあって栄えているように見えます。船で3時間もかけてきたことを考えると、ちょっと不思議な景色です。
 空気が澄んでいるからか、島に緑が多いからか、道がびゅんっと通っているからか、わかりませんが、撮っているうちに北海道の風景に似ている感じがしてきました。むかーしに旅した北海道。開放的な雰囲気感というか、空間的な余裕がそうさせたのかもしれません。とりあえずいつも通り、あっつい中でもゴロゴロ引きずって散歩しつつ、パシャパシャパシャと写真を撮って歩いてきました。荷物とカメラがあると、(不審者じゃなくて)「あ、旅行者だな」と思ってもらえるからいいですね。あんまり挙動不審にならずに済みます。


【 道がビュンってしてる感じが北海道っぽい気がするのです。 】

◎。。。...


 散歩したあとには、ちょっとわやわやありましたが、その辺の内容は大胆にカットしてしまいましょう。簡単に言うと、島のことについてたくさんの人が集まって話し合う的な何かがあったという感じです。その話の内容はさておいて、それよりもなによりも、その雰囲気がとてもよかったのです。

 何かが生まれる場所には、それを生み出すエネルギーが渦巻いています。多様な人がそれぞれの立場から、有象無象の熱気を持ち寄ってくる。そして、綿菓子をまとめるように、その熱気に軸を挿し込んでぐるぐるぐるっと巻きとって形にしていこうとする人がいる。そんな場は、課題は多いけども明るく前を向いていて、気持がいいもんです。
 ここでも、そんな雰囲気を感じました。それぞれ、関わっている人がとてもやわらかくて、いい顔をしています。ぐいぐい押していく人もいれば、ちょっとまったりとしていそうで内側は燃えているような人もいます。おじいさんもいれば、外国人もいるし、行政も民間も関係なく混じり合っていく勢いがある。それぞれの個人が、自分の立場を持ち込みながら、逆に立場を巻き込みながら活動していて、だから、何か大きなことが起こってきそうな期待感に満ち溢れている。
 単純に、おもしろい人達がやんちゃに集まっていて楽しい。そう感じました。この雰囲気の中で何かを担っていくのは、たぶん、とてもおもしろいことなのだと思います。生産的人たちの周囲には生産的スパイラルとでも言うべき、つくっていこうぜグルーブが湧き起こっているわけです。う〜ん、いいなぁ。


【 わやわやとサバを食べる、この感じ。こういう空気。 】

◎。。。...


 こういう場所には生産する人がいて、つくる楽しみがある。そんなことを感じざるを得ませんでした。今の時代、普段はどうしても消費主体としての自分の方が強くなってしまう。スポーツをするにしても、カラオケに行くにしても、それぞれのサービスが用意されていて、そこを消費して楽しむ。そこには自由にできる余白は少なくて、時間制限があって、工夫が効かない状態になっている。そんなあり方が一般的になっているのかもしれません。
 それはそれでよいかもだけれど、もっと何かをつくりたいと思うのならば、余白の多い場所に行った方がおもしろい。その場をいろんな形に編集していくことができる。固まったパッケージとか一定品質の安心はないけれど、なんかやたらと可能性が広がっていたりするところです。課題ってのは可能性にもなります。その可能性を感じて、わいわいとやる人たちにこそ、魅力は宿ります。

 もちろん、海士町はちょっとどころではなく特別な町です。移住者も若い人も多いし、外から入ってくる人に開放的です。高校生が道行く人に挨拶する町なんてそうそうありません。特異点であるというのは確かなのです。
 ただ、特異点特異点のままにしておくのかどうかは、その他の地域によることでしょう。わたしは、できればこの雰囲気は広まっていけばいいし、そういうノリの中に自分がいてほしいなぁ、などとは思ってしまいました。

◎。。。...


 下戸のわたしが、コップ半分の日本酒が飲めたのは初めてでした。
 食わず嫌いだった牡蠣に挑戦できました。(やっぱりダメでしたがw)
 語りが尽きることなく、気がついたら24時まで飲んでました。

 ぼくにとって、初めて行った海士町はそういう場所でした。



m(_ _)m

広告を非表示にする