meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

島根原子力館行ってみた。島根原発も遠目に見てきたよ〜

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 松江に住みはじめて約半年が経ったところで、ずーっと懸案事項になっていた「島根原子力館」に行ってまいりました。わたしが住んでいるアパートも実は10km圏内にあったりしていまして、ずいぶん近いわけです。実は引越してきたときにも原発災害用のハンドブック的なものをもらっていたりします。何か事故が起こったときの避難経路、行き先までしっかり書かれていて、うむ、こういう場所に来たのだなとお腹に力が入った覚えがあります。
 これはもう、一回はきちんと見ておかねば、というものでしょう。原子力発電所とはなんぞ?と、向き合う機会をもらったのです。しかも、島根原子力館なる説明してくれる場所も用意されているのだから、行くしかありません。少しドキドキ、ソワソワしながら原子力館に行ってきたのでした。
 

 
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 松江の市街地から車で30分弱ぐらい。日本海方面に進む快適な道から脇へ逸れて、ぐぐぐっと坂道を登ると島根原子力館が見えてきます。山の中腹には鹿島総合体育館とか野球場があるわりと大きい運動公園があって、原子力館への道はその中を通っていました。この山の裏っかわには島根原発があります。
 原子力館に近づくにつれて、なんだかものものしさを感じてしまうものですね。道路のあちらこちらにあるカメラが気になります。工事のために封鎖されているような道路も、実はそうじゃないんじゃないか、とかとか。余計に勘ぐってしまうのが原子力発電所というものでしょう。実際、安全保障上の一大拠点ですから、警備も相当厳重なのだと思います。
 山を越えた麓に原子力発電所があるのですけども、さすがにそこには近寄りませんでした。今回の目的地、原子力館は山の頂上にあります。よく晴れて、キレイな景色が広がっていました。駐車場から下を見下ろせば、島根原発1号機と2号機があります。
 

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 原発、というとなんだかすんごい工場をイメージしてしまっていたのですが、実際はそれほど大きいものでもないようです。ちょこんとしていて、かわいい系な配色。おお、これが原発というものなのですな。ちなみに上の写真の奥、縦の水色しましまが1号機、手前の縦と横に水色しましまが入っているのが2号機らしいです。最新型の3号機は原子力館からは見えませんでした。
 
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 さて、ついに原子力館に入館です。中国電力が島根原子力発電所の理解をすすめるためにつくった建物、という位置づけですかね。入館は無料。なかなかキレイな建物になっています。
 入館してスグのところに「点検不備の内容と防止への取り組み」コーナーがあって、ちょっとびっくりしてしまいました。わたしは最近松江に住みはじめた身分ですので、知らなかったのですけども、どうやら平成22年に123件もの点検不備が見つかった事件があったようです。これは地元では大問題になったことでしょう。中国電力の幹部と思われる人が県知事に謝罪する写真なども掲載された新聞記事が残っていました。原発ならではかもしれません。
 続いて現れたのは、順路がよくわからない道筋でした。なんだかかわいいキャラクターがあちこちにいて、子どもでもわかるような説明を繰り返しているようです。科学館らしく、ちょっとしたアトラクションがたくさん用意されていました。
 例えば。その辺にあった体重計に乗ったところ、だいたい53kg(服の重さも含めてね)。この重さの石炭だとだいたい20日分の発電ができて、この重さのウランだとだいたい4000年分の発電ができるとかとか、そんな表示が出てきました(数値はうろ覚えだけど、だいたいそんな感じでした)。おお、なるほど、そういう表現もできるのか、と感心したりもしてしまいます。
 中国電力の施設だから、訴えることはだいたい決まっています。原子力はエコで、安全で、安定供給のためには必要なものなのだ!ということですね。それはそう言わないとダメでしょう。さすがに原子力館で原発の不安を煽ってはけぬ。安全対策などの解説がすんごいたくさんありました。
 ただ、わたしとしては、原子力発電の仕組みを詳しく知りたいなぁ、って思いがあったので、少し消化不良。燃料棒とはどんなものか、とか、どれだけ厳重に扱って、処分されるかが知れたのはよかったですけどね。
 
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 個人的に衝撃的だったのは、核燃料の処分のところでした。使い終わった燃料みたいなものは、ガラスで固められて地中奥深くの貯蔵庫みたいなところに埋められるのですが、その保管期間が30〜50年とのこと。そんな廃棄物が年間30本ほどできるらしくて、どっひゃーですね。なんかどこかで放射性廃棄物を短期間で無害化できる技術ができたとかいう記事を見かけた気がするので、早く実用化されてほしいものです。
 ちなみに、島根原発1号機の廃炉は30年計画ですすめられています。廃炉が完了するのは2045年ですか。いやぁ、長い。もうどうあがいても今の世代は原子力発電所とは無関係ではいられないのですな。日本で廃炉になった原発の状況も掲示されていましたが、どれもまだ作業完了には至っていないようでした。廃炉完了できた原発って日本にあるのかなぁ。そこまではよく知りませぬ。
 
 なんか厳重過ぎて、逆に、それほど厳重に扱わねばならぬ代物なのかー、とも思えてしまいますね。でも、わたし自身もそんな原子力発電所の電力を受けて育った世代です。無碍に非難はできますまい。何はともあれ、事故のないように頑張って欲しいなと感じた次第でございました。
 
(電力も小さく自給できるといいなぁ)
 
 
 
 
m(_ _)m
 
 

 

池上彰の講義の時間 高校生からわかる原子力

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