meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

島根県のNPO法人数が少な過ぎてびっくりした。

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 いつだったか、何だったか、仕事中にひょっと気になって島根県NPO法人数を調べたことがあった。Googleで検索したらスグに出てきて、ほほーっ便利と資料を眺めてびっくりしたのだった。いくらなんでも少な過ぎる。なんじゃこりゃ、NPOってこんなに普及していなかったのかと、ため息が出てしまった。すごいところに来たものである。
 なんとなくその経験が衝撃的だったので、少し時間をとって調べることにしてみた。実際これが本当に少ない数字なのか、どうか。はっきりさせておきたかったのだ。

 

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島根県:県内NPO法人認証状況(トップ / 県政・統計 / NPO / NPO / 県内NPO法人認証状況)

 まずは島根県NPO法人数。島根県のホームページでNPO法人の認証状況を公開している。2015年7月現在ってことで、どうやら毎月更新らしい。なかなかいい頻度で更新されているようです。
 肝心の法人数は上に掲げた通り。「272」である。松江市が「98」で最多。出雲市が「58」、浜田市が「23」と続く。ちなみに、ソーシャルビジネス業界で名が高い雲南市は「15」、江津市は「5」、海士町は「3」となっている。うん、なかなか衝撃的な数字である。

 以前からなんとなく、中間支援的なところが見えてこないのはなんでだろう?とか考えていたが、この数字を見ると市場の小ささがわかる。全国のNPO法人数のわずか0.54%しかない。
 別にNPO法人が少ないから民度が低いとか、市民活動が活発じゃないとか、地域づくりやってないとか、そういうことではないのだけれど、うーむ、うーむ、な数字だと思う。こういう法人格があるということ、その理解が進んでいないということかもしれぬ。そんな気持ちにもなった。

 が、しかしである。これは本当に少ない数字なのか、もう一歩踏み込んで調べてみた。以下が平成24年の経済センサスのデータである。あまり正確に見る必要もないので、とりあえず会社の数っぽいところ、法人の「企業等数」というをとってきた。

 

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統計局ホームページ/平成24年経済センサス-活動調査 調査の結果

 単純に考えると、170万社ぐらい全国にあって、そのうちの9,000社弱ぐらいが島根にあるということらしい。比率でいけば0.53%となった。おお、NPO法人数よりちょびっとだけ低い。意外と妥当数のNPO法人があるのではないかと思えてきた。いやはや、それにしても全国との割合でみるとすんごい小さい数字になるものである。経済活動としても、それぐらいなのかもしれぬ。

 じゃあ、人口はどうだろうか。これも漠然と、70万人を切ったのだなぁ、ってぐらいにしか認識していない。全国の1億2千万人だっけ、それと比べてみるとどうなるのだろうか。なんとなく結果は見えてるけど、やってみた。

 

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しまね統計情報データベース統計局ホームページ/人口推計から2015年7月の人口推計をとってきました。

 0.55%。やっぱりこのぐらいの数値になるらしい。(;・∀・)


 要するに、NPO法人がどうのこうのという話ではなくて、島根県の経済活動とか人口規模とかが、全般的に小さいということのようだ。
 ただし、こういうのはだいたい都市圏がやたらと平均を上に引っ張りあげていて、おおよそどこの地方でもおんなじような状況になっているだろうとも想定できるので、ちっさいからハッテンさせよう!ってな話でもない。島根には島根なりの暮らし方があるし、実際、松江暮らしは贅沢である。
 その豊かさをわきまえた上で、やはり、この地域は「今、どういう位置にいるのだろう」ってなことは知っておいた方がいいのだろう。ポジションがわからないとうまく立ちまわれないのは、どの世界でも同じである。ミクロな感覚もいいけど、たまにはこういうマクロなデータにも触れておかないと、いつの間にか語る言葉の説得力が落ちてしまうものだと思うのだ。

 


m(_ _)m

 

 

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