そういえば最近、こんな森を見かけたのだった。これも4月末の話で、奥出雲の方に山登りにいったときの話。もともと登山なんかするキャラじゃないんだけど、山でも登ってみようかーぐらいの勢いで参加したのでした。
その森を見かけたのは、登山も終盤、山を降りきって登山道を出た辺りからだったと思う。間伐していない森がたくさんあるのは知っていて、細い木があるなぁ、と、なんとはなしに寂しくなりながらも眺めていた。そうしたら、どうも明るい部分が出てきた。見てみると、木が折れている。1本や2本じゃなくて、たくさん折れている。ひとつのエリアの木がバリバリバリっと折れたというか、引き裂かれたような感じで、不気味な光景だった。
なんだろう?と考えてみたし、一緒に行った人たちとも話してみたが、理由はわからない。地方的に雪かなぁ、などと思ってみたものの、知識がないのでなんとも言えなかった。墓標のようだな、と感じてしまった。
間伐が行き届かないと、細くて、頼りない木ばかりになってしまう。そういうことは知ってはいたし、実際に間伐されていない森と間伐されている森どちらにも行ったことがある。手入れが行き届いていれば、森は明るく、木は太く、気持ちがいい。間伐されていなければ、その逆である。暗くて、細くて、木が密集した森だと、根が地表に出ていたりもする。
残念ながら、今、目立つのは後者の森で、なかなか手が届いていないし、届けるための状況が整っていないのだなぁ、と感じることが多い。森林組合がちゃんと動いている地域の方が少ないんじゃないか、なんて思うこともある。奥出雲の辺りがどうなのかはわからないけど、今回見たところも、間伐されないことや林業では食っていけないことなんかが背景になってこうなっているんだろうなと、妄想してしまった。
それにしたって、劇的な光景だったから、本当の原因は別なのかもしれないけれど。
●◯。。。...
石見の方では皆伐されている山も出てきていると聞く。仕事で、プライベートで、紙を使いまくっている人間が言うことではないとはいえ、もう少し考えて付き合っていけないものなのだろうかと、正直思う。
【石見の方の皆伐現場の写真】
水は循環しているわけだし、その循環構造の中に山があって、役割を果たしている。その循環構造や役割も、人間中心的に考えたものではあるんだろう。自然には関係ないことかもしれなくて、こういう状態ならこういう状態でそれなりに回復をするのかもしれない。それでも、悲しいものは悲しいなと感じてしまう。
わたしに何かをどうこうできることもない。そういう位置にもいないから、こうやって書いておくことぐらいはしてみようと思ったのだった。
m(_ _)m