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meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

ダイアログ・イン・ザ・ダークに行ってみた。

見てきたこと ワークショップ 教育

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 もう1ヶ月以上も前のことになるんだけど、ダイアログ・イン・ザ・ダークに行ってみたのだった。ダイアログ・イン・ザ・ダークってのは、その名の通り「暗闇で対話すること」ぐらいに思っていただけたらいいと思う。実際には、視覚障害者の案内に従って純度100%の暗闇の世界に入って、その世界を探検するような仕立てになっている。詳しい説明とかは、ダイアログ・イン・ザ・ダークのホームページをご参照あれ。

www.dialoginthedark.com

 7月の上旬で、やたらめったらにあっつい日に、駅からえっちらほっちらと15分ぐらい歩いた。予想以上に大きな看板とキレイな施設にほへーっとなりながら、地下の入り口へと進む。どうやらしっかり作りこまれたプログラムらしいと、そのときになってやっと気付いたのだった。

●◯。。。...

 結論から言えば、とってもいいプログラムだった。是非、いろんな人にオススメしたい。これ読んだ人は行った方がいいと思う。ちょっとお高いけど、それなりの価値はあるだろう。
 目が見えない人の世界を体験とか、そういった福祉的だったり、やさしい世界的な何やかんやは強調されない。むしろ、暗闇の世界を如何に楽しむかに重点が置かれているような感じ。エンターテイメント的な楽しみ方もアリなのだろう。映画館に行くような雰囲気で、90分間の暗闇の世界に行ってみてもいいのだ。
 目を開けても瞑ってもおんなじ世界で、歩きまわり、鬼ごっこをし、コーヒーを飲む。そんなことできるんかいっ、と思うようなことにチャレンジしてみるのはなかなかに愉快だったし、チャレンジできる安心感もきちんと場に染み込んでいた。つくり込みがハンパねぇんだろう。電気つけて周りがどうなってるのか見てみたい、と言った参加者がいた。答えは「スタッフになったらわかるよ」だった。秘訣は教えてくれないらしい(当たり前か)。

●◯。。。...

 実は、ぼくはプログラム開始直後にリタイアしかけた。
 単純なことで、暗闇が怖くて息がまともにできなくなったのだ。軽めの閉所恐怖症なのかもしれない。ちょっとしたパニックに陥った。心の準備があんまりにも疎かで、目の前の真っ暗に飲み込まれてしまったようだった。全てが消えてしまったようで、そこに人やモノや空間があると思えなくなった。
 どうしても明かりをつけて欲しかったので、その場で頼み込んで明かりをつけてもらう。10人弱のグループで入っているので、その全員の足を引っ張っているということになる。続けられるかどうかが不安だった。情けなかった。
 ただ、案内をしてくれた視覚障害者のファシリテーターさんは流石だった。こういうときにも焦りはしない(たぶん、よくあることなんだろう)。目を瞑ってみること、暗闇から出たいときには確実に出られることなどをやさしく伝えてくれて、ようやく落ち着くことができた。
 何とかできるかもしれないと腹を括って、目を瞑り、徐々にその闇に慣れていく。数分後には、単独で歩いても平気なぐらいになっていたから妙なもんで、世の中の不安なんて喉元さえ過ぎちゃえば大したことでもないのかもな、なんて思ってしまった。一方で、ちょっと気を抜くと不安に飲み込まれそうになる自分にも気が付いた。どうやら閾値のようなものがあるらしい。

●◯。。。...

 慣れるとそれなりに自由に動けるようにはなったけども、やはり暗闇である。いつもとは勝手が違う。手探りで、少しずつ世界を認識していく。こんなものがあったのかと、発見を繰り返す。
 ダイアログ・イン・ザ・ダークとは言っているが、ダイアログの相手は参加者同士というわけじゃないような気がしてくる。多分、この対話は暗闇との対話なんだろう。暗闇の世界と、日常の世界。ちょっとずつ、世界と世界が交じり合う感覚ってのは、こういう手探りと発見の連続の中にあるのかもしれぬと、そんなことを考えてしまった。

 いや、そんな小難しいことよりも、楽しさの方が勝つから、このプログラムはいいのだ。闇の中で動きまわるのが、ただ楽しい。こういうところに中堅以上のおじさま方が来るといいんだろうなぁ、とか思った。

 

m(_ _)m

 

 

 

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