meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

イアマスの卒展に行ってみた。(その1)

 イアマスって学校がある。ほんとに知ってる人だけ、知ってる学校だ。正式名称は「 情報科学芸術大学
 院大学 」と「 岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー 」ってことらしい。前者が大学院、後者が専門
 学校。2つ合わせてイアマスである。この組み合わせだけでも「 ソレだ!!! 」って感じがするでし
 ょ。しかも、場所が岐阜県大垣市で、やってることがメディアアート岐阜県立の学校です。もう不思議
 で仕方がない(笑)先見の明あり過ぎでしょw、って言いたくなる。

 そんな学校の卒展に行ってきた。実は「 卒展 」に行くのも初めての経験だった。

 さらに言えば、大垣に降りるのも初めてだった。名古屋の郊外、ベットタウンってイメージだったけど、
 ちゃんと見てみると歴史都市でもあるのね。駅前から歴史っぽい街に漂うしっとり感が漂っていて、結構
 気持ちいい。ちょっと歩くと郊外型!って感じのショッピングセンターがドカーン!って建ってて、お金
 持ちじゃないけど、一軒家には住んでる系の豊かな家族がたくさん通ってそうな気配になる。そこを抜け
 ると見えてくるのが、卒展の会場、異彩を放つソフトピアジャパンセンタービルだ。岐阜駅前ビルができ
 るまでは、岐阜県で1番高い建物だったそうな。。。


【 ニョキって出てるのがソフトピア 】

 聞いて驚くなかれ、卒展トークイベントのゲストは宇川 直宏氏(DOMMUNE主催)、津田 大介氏(ジャー
 ナリスト/メディア・アクティビスト)、四方 幸子氏(メディアアートキュレーター/批評)である。
 「 えっ! あの金髪のジャーナリストが来るんっすか Σ(´∀`;) 」って思うよねw 名古屋だっ
 たら千人規模の講演会になってもよさそ〜だけど、、、ここは大垣である。なんと、トークイベント開始
 時の聴衆はわずか70人程度( そんなにいたかな? )ときたw うはw何これ。ゲストちけぇwww
 しかも司会の子が、司会に向いてないタイプでキターー(゚∀゚)ーー!!なんという喋れてなさw むしろ
 それがいい感じ的な、若干マゾヒスティックな楽しみ方をしてしまった。

 さて、話の感想を少しだけ。

 テーマは「社会⇔メディア⇔表現」ってことで、アートとジャーナリズムの間な話だったと思う。この着
 想自体はすごくいいなぁ、って思った。アート(芸術)って、やっぱり日常からは離れたような、浮いた
 ような文脈でしか語られる機会が少ない。富裕層の道楽に支えられてきた面は否めないし。これが「 デ
 ザイン 」って言うと、ソーシャルデザインとかなんだとか、わりと社会の文脈で考えられはじめてるん
 だけど。まだ「 ソーシャルアート 」って言葉は聞こえてこない。

 まぁ、だからこそ、アートの役割はまだまだたくさん残されている気がしてる。というか、意識化されて
 ない感じがある。方法として使えるようにしたら芸術じゃなくなるのかもだけど、個人的にはQOL(Qu
 ality Of Life)とか、そーいうのの鍵になるんじゃないかと思っていたりする。実践的に使っていくア
 ートがあってもいいじゃないかって。

 津田さんが東北を事例に「 情報発信をしないとリターンがない 」って話をしてた。確かに、確かに。
 ネットや何やで、個人と表現が限りなく近い状況にある。昔はテレビとかが取材に来て表現をしていたの
 が、今じゃ、誰でもができるがゆえに、マスメディアのチカラも落ちてしまっている。じゃあ、個人であ
 ったり、地域であったり、そういう弱い表現を支援したり、代行したりしていくのがこれからアートに求
 められてるんじゃないの?って僕は短絡的に考えてしまう。それらの発信が訴求する人の範囲のとかが、
 いかにうまく組み合わされば一極集中にならないんだろうとか、そっちの興味もある。

 が、

 そんな話はされなかったわけでw スケール的に広い話が多すぎた。ちょっと今の僕ではついていけねぇ。
 あと、ローカルに落ちたとしても東北の話ばかりだ。メディアアートだからかもしれないけど、ネットに
 のった途端、スケールがわからなくなるぐらい広くなる。地域性がなくて、全体的な話。もっと言っちゃ
 えば、中央集権的だったり、知ってる人は知っている、わかってる人はわかってる的な話に聞こえてしま
 わなくもなかった。大垣でのリアリティがない。せっかく来てんだから、大垣でこのトークイベントをす
 るにあたっての「 何か 」はないんかい!って言いたくもなる。この種の乖離は、イアマス全体を包ん
 でるのかもだなぁ、って感じてしまったりもした。

 や、話はおもしろかったんだけどね。



 ( もうちょっと続く ) m(_ _)m