meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

異動になった。

 異動になった。やっと、という感じ。今のところに来て、3年、いや、4年か。なんて長い、長い時間だった。そんなにひとつのところにいたのは、初めてである。人によるし、性格によるけど、ぼくの場合は、まぁ、停滞する。同じ業務ってそんなにないんだけど、それでも、同じ環境につかってしまって、凝り固まってしまったなぁ、と思う。今のぼくは、きっと視野が狭い。どんな形であれ、ひとまず次の展開が持てたのは、ありがたいことである。
 そんなこんなで、ここ最近は、片付けしたり、引き継ぎしたりをメインに据えて動いている。かなり前から、ちょっとずつ、こっそりと異動の話は出ていたから、まずまずの事柄は既に引き継ぎ済みだなぁ、なんて考えていたが、そんなこともないのが引き継ぎってもんであって、そういえばこれもあったし、あれもあった、なんてことになってくる。
 大概、完璧な引き継ぎにはならない。ちゃんと穴があって、その穴を埋めていこうとして後進が育っていくってのが、ひとつのパターンなのかもしれない。後進が育ってきているのも、ありがたいことである。同じことができなくても、まぁ、なんとかなる。それが組織のいいところだろう。

●◯。。。...

 異動なので、退職ではない。今までこういう場面ではだいたい退職だったので、ぼくの異動は珍しい。異動するという話をすると、ちょいちょい人が驚いてくれる。中には「えー、いなくなるのー」と悲しんでくれる人もいる。退職じゃないのに、退職っぽいなぁ、と思いながら、そのリアクションに感謝する。少しは何かできてたから、そういう反応をしてくれるのだろうと、思う。
 当然、幾人かは、ぼくがいなくなって内心すっとしているのだろうけども、それもまたそれで人間らしい感情であって、ぼくの目に入らなければ、好きにして貰えばよい。今のところ、いなくなって嬉しい系の感情を表現しに来る人はいないので、それはそれでありがたい。
 自分も含め、人間の感情ってのはややこしいので、めんどうである。

●◯。。。...

 新しい環境がどんなところなのか、何をするのかは、まだ見えていない。いや、おんなじ職場だから、少しはわかるのだけれど、少ししかわからない。隣は何する人ぞ、というのは、どこの会社でも起こるものなのである。自分の範囲しか見えないし、他の人の範囲まで見たり踏み込んだりもしたくない、ってのも、ある。
 年齢を重ねてくると、新しい環境に向かうのが億劫になるとも聞くが、ぼくの場合はどうだろう。4月からの領域を、ぼくがどう感じるのか、もの覚えのスピードがどんな風なのか、その辺りの、自分自身の反応をみるのも、ちょっと楽しみである。

 今年は2月が暖かく、3月が寒かった。月末になって、ようやく、春めいた気候が戻ってくるようである。桜がちらほら咲きはじめている。これから、いい季節になる。晴れる日が多いといいなぁ、と思う。



m(_ _)m