meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

あんまりよくわかってないけど、マイナス金利について書いておくよ。

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 日銀のマイナス金利ってのが最近話題になっているんだけども、なんかこれ大丈夫か?って思う声も聞こえてきて、ちょっとびっくりしています。研究者的な位置にいる人が「もう終わりだー」って言ってたり、「お金借りたらお金もらえるんでしょ」っていう話しも出たりして、もう何がなんやら。
 ってことで、素人なりに少しだけまとめてみることにしました。これがいい政策なのか、悪い政策なのかは置いておいて、ひとまず基本的なところをおさえておきましょう。その上で、タンス預金がいいとかなんとか考えていただければ幸いなのです。
 おさえておきたいのはこの3つ。「なにがマイナス金利になったのか」「マイナス金利は史上初なのか」「そもそも金利ってなんなのか」。

 

●◯。。。… 何がマイナス金利になったのか。

 まずここから知っておかないといけないですね。わたしも中学校レベルの知識でしか理解していませんが、「日銀は銀行の銀行である」って習ったハズです。ということは、銀行は日銀にお金を預けている。預金があるわけです。
 今回のマイナス金利では、この銀行が日銀に預けているお金の一部にマイナス金利がかかった、ということらしいです。全部がマイナス金利になったわけではない。で、銀行はこれまで日銀に預けているだけで利子がもらえていたのだけども、それがなくなってコストになっちゃったってことです。となると、早いとこ引き出して、他の手段でお金を稼がなきゃならんくなります。(ん?わりと真っ当な話な気もしますね)
 他の手段というのは、銀行だから融資ですね。お金を貸して、ちょこっと上乗せして返してもらう。銀行の本業です。これをもっとやっていってね、というのが日銀のメッセージでしょう。だから、お金を借りたらお金がもらえる、なんてことにはなりません。もっと、どーんっとマイナス金利になったらわかりませんが、今のところそんなファンキーでハッピーな事態になるとは思えません。(って書いてたら、国債マイナス金利になりました。。。(;・∀・) ま、これはさすがに例外かなぁ)

 

●◯。。。… マイナス金利は史上初なのか。

 史上初ではありません。海外で事例があり、どうやらそれは失敗だった、とか何とか言われています。実際にどうなのかは、やっぱり終わってみないとわからないってのが本当のところかな、って感じです。
 が、海外に目を向けてみると、イスラム金融ではそもそも利子がありませんし、銀行が預金に対して手数料をとっているところもあるようです。考えてみれば当たり前のことで、「お金を預かってもらってるんだから手数料を払う」という論理もわからなくはない。歴史的にみれば意外と金利がプラスになっている、ということの方が珍しいのかもしれません。って、それは言い過ぎですね。
 とはいえ、おさえておいて欲しいのは、これが史上初の奇策!ではないってことです。劇薬だのなんだのと言われていますが、本当にそんなに過激なのかは考えた方がいいでしょう。マスコミのキャッチフレーズに踊らされずに、もうちょっと冷静にみるべきです。

 

●◯。。。… そもそも利子ってなんなのか。

 そうなんです。ここをもう一度捉え直した方がいいと思います。タンス預金だー!って騒ぐ前に、利子がつくことへの違和感を持って欲しいなぁ、というのが正直なところです。今までお金を預けているだけなのに、なんでお金が増えているんでしょうか?
 インフレ経済の中では、インフレした分だけ利子で調整していくってのもありでしょう。でも、物価の上昇率と利率が連動しているとも思えません。デフレだ−って言われても、マイナス金利にはならないし。
 だったら何なのか?ってことです。シルビオ・ゲゼルって人が「老化するお金」ってのを提唱して、徐々に価値が減って行く貨幣をつくったこともあります。それが実践された町もある。そんな中で、どんどん増えていくお金ってのを眺めると、当たり前だと思っていた利子が妙なものに見えてくるかもしれません。興味のある方は「エンデの遺言」で検索してみてください。
 利子ってなんなのか、わからなくなると思います。わたしも利子とは何か、お金とは何なのかがまだわかりません。(´・ω・`)

 

●◯。。。...

 今回のマイナス金利についてはいろんな意見があると思いますが、個人的には金利についてみんながちゃんと意識する機会としてはいいなぁ、と思っとります。あまり無意識に当然にとらわれずに、マスコミにも流されずに、自分なりに考えてみていただければ幸いです。

 

 

m(_ _)m

 

 

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