meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

「古本 冬營舎」に行ってみた。

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 暑い。晴れてはいるが、湿度が高い。梅雨である。有給をとったぼくにはいくつかのミッションがあった。ところで、有給って、有給なのか、有休なのか、どっちなんだろう。いっつも迷う。どっちか知ってる人がいたら教えて欲しい。たぶん、どっちでもいいんだろうけど。


 そんなわけで、休みをとって銀行口座とか市役所とかをまわることにしていた。気がつけば午後になっていた。なぜだろう。すこしあせって荷物をまとめ、カメラを持って家を出る。カメラは必須である。最近、街を歩いて撮るってことをしていなかった。
 日差しは強い。夏っぽい。けども、晴れているのはありがたい。それだけで気持ちがいい。気持ちがいいのだけれども、このあと銀行と自宅を2往復することになってしまう。1度目は自分で印鑑を忘れたことに気付いたからで、2度目は窓口まで行って財布を忘れたことに気付いたからである。なんともまぁ、マヌケなことで、住所証明が必要だろうと意識してもってきた賃貸契約書などは全く必要なく、むしろ身分証明の方が重要だということに気付いていなかったのだ。ちくしょう。どう考えても自分が悪い。ちくしょー。やり場のない不機嫌をつくり笑いに変えて、ようやっと口座をつくる。どうもこういう手続は苦手である。よく事務職なんてやれてるもんだと、自分で思う。
 次の市役所でも受付番号を間違えてしまった。549番が呼ばれていた番号。ぼくは546番だった。3つも違うけど、つまりは自分の番号なんか全然覚えていなかったのである。そのくせ、間違えて反応してしまうのは結構恥ずかしい。そのまま黙って座る。どうも今日はよくない。いや、いつも通りなのかもしれない。

●◯。。。...

 冬營舎に行こう、と思いついたのはそんな手続きまみれの帰り道だった。市役所の近くにあったハズである。「古本 松江」で検索したらトップに出てくるとか聞いていたので、とりあえず検索してみる。地図が表示されて「本日休業」という文字が目についた。たぶんやってるんだろうと高をくくって見に行くことにする。前に、Googleで出てくる営業時間が間違ってるとか何とか言っていたような気がしたのだった。
 冬營舎はわかりにくい。営業時間も間違っているなら、地図の位置も間違っている。Googleの表示に従って四つ角まできたものの、店がある気配がない。どっちかにズレているのであろう。さて、どっちか。なんとなく川に近い方な気がして、北に歩いていったら程なくして見つけることができた。商売っけのない店構えながら、ちゃんと「OPEN」の看板が出ている。開いてるんだから、入れるだろう。そろそろと扉を開けると、店主が迎えてくれた。

●◯。。。...

 店主とは既に顔なじみなのだけど、お店には行ったことがなかった。店はこぢんまりとまとまっていて、本とカウンターテーブルが並んでいる。本の数は思ったほど多くない。食べ物関係の本を中心に、門外漢にはなかなか手が出せないラインナップが揃っているようだった。「本屋さんなのに、本より飲食の方が売れてるの」というのも、なんか納得ができるような気がした。
 歩いてきた暑さもあって、ジンジャーエールを飲むことにする。平日の真っ昼間で、お客さんはぼくひとり。ゆったりと、とりとめのない話をしつつ本を眺めた。なぜだか、ここに来たならば本を買わねば!、という使命感が生まれていたので、何度も何度も本を眺めまわす必要があったのだった。料理の本、島根の食べ物の本、ふむ、ふむむむ。食指は動きそうにない。。。

 30分ぐらいは滞在してしまったかと思う。独特のリズム感にやられる。巻き込まれる。まぁ、それなりに、好き勝手やればいいのかという気持ちになって、ふと目についた本を買ってみることにした。理由は、最近読んでいた『第2図書係補佐』に似ているな、と思ったからだった。あの書評を、料理でやったらこうなるんだろうかなぁ、なんてぐらいの気持ちだった。

●◯。。。...

 店を出ると、もう夕方の時間帯だった。また、カメラをパシャパシャやりながら帰路を歩いた。本は買えそうにないけど、またいろんな人を連れて冬營舎いこうと思った。買ったのは『台所目録』。全然イメージと違うのを買うねぇ、と言われてしまった。

 

m(_ _)m

 

 

 

台所目録 (天然生活ブックス)

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