振り返ってみるに、現在、自分史上一番よろしくない思考の上司に仕えていると思われる。それはそれなりに危険なことではある。なので、まぁ、基本的にはもう組織の外に出てしまおうという方針で動いている(いいところがあったら教えてほっしぃ)。
流れ上、そうなってしまったのだから仕方がないといえば仕方がないことなのだが、しかし、うまく立ち回れない自分の不器用さはどうにかできないもんかと思ってしまう。大きな組織に紛れ込んだぼくの生存戦略が「うまいこと能力を出さないこと」に行き着くとは予想していなかった。少し、その構造について書いてみようと思う。
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上司氏は小役人的であり、その思考には邪悪さが漂っている。話す上では普通の人っぽく見えるし、それなりにいい人でもあるので、構造は複雑ではある。根っからの悪ではない。しかし、アクが強い。いわゆる典型的なクラッシャーではないけども、おそらくクラッシュを繰り返すタイプだろう。実際、部下を壊してきた実例のある人だ。
ぼくは今までにも何度かクラッシャーな上司に仕えてきたことがある。その経験から、壊し方には大きく2つのタイプがあると考えている。ひとつは武闘派である。これは能力がある人で、能力がない部下に同等の水準を求めてくるタイプだ。この場合は、それなりの能力を示しさえすれば認めてくれる。筋道は比較的シンプルで、理が通り、対処もしやすい。
厄介なのは武力ではない場合である。忍術派とでも言ったらいいだろうか。攻略するためには、忍者屋敷を陥落させなければならない。つまり、何がどこに仕組まれているかがほぼわからない状況に追い込まれる。ぼくの現状はその状態に近くなっている。
考察するに、おそらく、この忍者屋敷は上司氏の自己肯定感の低さに起因している。自信満々のように見え、延々と自分の流儀を語る上司氏に、それなりの距離をとってのジャブに徹してきた。その結果、どうやらこれはどこかでこじらせた自意識が影響しているのではないかと思うようになった。
このタイプはまずい。自分はできないよ、と言いつつ、伸びようとする人を叩く。意識的にか、無意識的にかはわからない。ただ、自分を越える能力を認めず、手の内におさえようとする。出世競争世界の組織だから、そういうスタンスも大切なのかもしれないけども、こうなると動きをとるには難しい。手の内からこそっと抜け出て、仕掛けをつくっていかないといけないのだろう。なかなかに体力が必要となる。
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さて、しかし、ぼくは外人である。組織内人脈の乏しさについては誰にも負けない。残念ながら、組織内人脈をつくる気もない(←それが問題の根本と言われると、返す言葉がないけども)。ゆえに、上司氏の手の内での生存戦略となり、ゆえに、成果を出してはいけない。
明らかにはしないけども、上司氏の中には「俺の部下に京大卒がいる」という優越感がある。しかも、その部下は自分より「できない」のだ。その事実に酔わせておく必要がある。手の内にいて、無害であり、優越を感じられるのであれば、潰そうとは思わない。そのパワーバランスをうまいこと保っておけるかどうかが、ぼくの勝負であって、つまりはすんごいくだらぬことに注意を向けているということである。
上司氏が能力的に低い、というわけではない。ただ、その自意識を刺激すると、突如壁の穴から矢が飛び出してくる。思考が邪悪なだけに、撃ち方も蛇である。矢尻には毒素が塗り込んである。ならば、忍者屋敷で生き残るには、動かないことだ。ただし、それはそれで諸刃の剣。いわゆる茹でガエルとなる。日本企業は、実績や経験がないままにいられるほど外人にやさしい村ではない。じわりじわりと死期は近づいてくるだろう。
ジャブを打ちつつ、脱出できるといいが、ひと苦労は避けられぬ。撤退戦である。慣れはしないなぁ。
m(_ _)m
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