meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

1年ぶりの松江帰省。

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 島根県松江市に来ている。なんか、犯人が犯行現場に帰ってきたような気持ちだったり、そうでもなかったりする。1年前まで、松江市民だった。3年間ほど松江に住んでいた。岐阜に引っ越したのが、去年の5月29日のことだった。
 ほんとにまるっと1年ぶりだ。1年間、松江には帰ってなかった。引っ越してから、初めての里帰りである。岐阜から半日かけて、新幹線とバスを乗り継ぐ。さすがに山陰。けっこう遠い。

●◯。。。...

 松江駅に着くまでは、なんだか全てが懐かしっくって、目がうるうるしてしまうんじゃないか、なんて思っていたのだが、まぁ、そうでもなかった。身体がスグに馴染んでしまう。意外と忘れていたことも、その世界に戻ってみれば、思い出す。懐かしさよりも、いつも通り感の方がまだ強い。
 思い出すというより、まるで覚えていたかのような感覚になった。記憶ってのは、全部が全部頭に入っているもんじゃないらしい。足は自然と動くし、その場所に行けば人の名前も湧いてくる。もちろん、地名とか、思い出せなくなってしまったものもあるけれど。
 とりあえずの1日目は、残っていた銀行口座の処理と、前職でお世話になった人たちへの挨拶で過ぎていった。なんだかんだで各所に挨拶していたら、時間はスグに過ぎてしまった。仕事中にお邪魔したのに、あたたかく迎えてもらえたのがすごく嬉しかった。いろいろと変わったところもあって、大変そうなところもあったけど、それでも、笑って世間話ができた。それが何よりだなと思った。

●◯。。。...

 改めて来てみると、とんでもなく恵まれた環境にいたことがわかる。自然が多くて、山が見えて。歴史街で、観光地でもある。お堀もあるし、湖もある。綺麗な水じゃないけども、その景色は清々しく、美しい。
 通勤環境なんて、今とは比べようもない。最初のアパートは職場から徒歩5分もかかるかどうかのところで、ちっさい路地を歩いて通っていた。次の借家は街中だったけど、それでもバスで1本。30分もかからない。最後の1年はいわゆる遅番出勤で固定されていたから、8時40分に家を出たらよかった。朝の7時から満員電車に揺られていることを考えると、いや、比較にならない。
 職場の緑も多かった。通っていたときには見えなかったことが、やっぱり、離れてみると見えてしまうようだ。
 こういうのは、だいたいが「隣の芝生は青い」的なものなのだと、わかっている。当然、前職のときには前職のときなりの閉塞感があった。気持ち悪さも感じていた。動きのとりづらさも、先の見えなさもあった。だから、こっちのがよかったよなぁ、なんて、単純に言えるものではないし、言うつもりもない。ただ、自分にとっての豊かさは何かと考えたときに、ぼくの場合は、自然や、こういう場所の気持ちよさが、大切なんだなと、しみじみ感じる。

●◯。。。...

 今は、様々なバランスの中で、何とか地方っぽいところに踏みとどまっている。その状況から、また、もう一回、自分がいいなと思う環境に近づけていけるようにしていきたい。

 

m(_ _)m

 

 

生きるように働く

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