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meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

台風が迫る夕暮れに。

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 台風です。風がびゅんびゅん吹いています。風向きが不安定で、どちらから雨が吹き込むのかわかりません。いつもこの時間になるとカナカナカナと聞こえてくるひぐらしの声が、今日はまだ聞こえてきていません。嵐が来ます。備えましょう。

 こういうときのそわそわした感じ、何か少し非日常な感じが、わたしは好きです。未だに小学生かよと自分でも思います。もう十分大人になって、その被害の大きさや、面倒臭さも味わったのに、やっぱり台風となるとドキドキしてしまいます。仕事が休みになるわけでもないのにね。学生時代に身につけた感覚というのは恐ろしいものです。どうも根強く身体に残っている。きっとこれからも残り続け、いつしかその感覚が古い時代の遺物となるのでしょう。

●◯。。。...

 外が雨だと、なぜか室内は落ち着きます。雨の雰囲気、特にザーザー降りの雰囲気は独特です。雨音が部屋に響いて、とても静か。ぐーっと心が抑えつけられているような落ち着かせ感があります。浮足立たない。それでいて、雪でかまくらでもつくって、その中にみんながまとまっているような、小ぢんまりとした連帯感が出てきます。考えたり、集中したり、それこそ晴耕雨読、読書をするのにぴったりです。だから、大雨はキライになれません。

 台風だと、そんな雨に風が加わります。ゴーッという音、突然壁にぶつかって建物を揺らすような強風が吹き荒れる。こうなると、落ち着くのは落ち着くけども、心細さが加わります。ちょっとした不安、ドキドキ、ハラハラが生まれてくる。その心細さを補うように人は集い、室内の連帯感はさらに高まりがちです。自分の殻から気持ちが溢れ出すようにして声がかけ合われ、「電車は?」「バスは?」「川の水位は?」とコミュニケーションが生まれていく。意外とこういったかけ合いが気持ちよかったりして、大きな事故でも起こらない限り、みんな苦笑いで楽しんでいる様子があったりもします。嵐の状況特有の風情があって、いいなぁと思ってしまうのです。

●◯。。。...

 天気が人に与える影響は馬鹿にできませぬ。その昔、グループワーク(ワークショップ?)なんかを頻繁にしていたときには、天気によってテンションを変えるようにしていました。いや、変えていたというより、変わっていたが正解かもしれません。ただその場の雰囲気に流されていただけですね。あはは。ヽ(´ー`)ノ

 でも、その方がいいなと思っていましたし、今もそう思っています。変温動物の方が場から切り離されなくていいんです。雨が降っても、心はハレルヤッ!で巻き込んでいくのもひとつの手ではあるのですが、わたしっぽくないというか、不向きってやつですね。雨の日には雨のテンションで。晴れの日には、、、ま、そんな明るくはないですけども、晴れなテンションでグループワークをすすめていました。

 環境から切り離されない。浮いてしまわない。馴染むように。そんな意識です。飲み会の雰囲気には全くついていけず、毎度浮いてしまうわたしなのに、なぜだかそういうところだけは馴染むように努力をしていたようです。なぜなのでしょうか?

●◯。。。...

 ただ、感覚的にそうしておいた方がよさそうだから、という理由はありました。グループワークとかワークショップって、意図と反応の調整を続けるようなものです。進行するこちらには筋があって、乗せられるあちらには意志がある。筋にしがみつけばひとりよがりで、意志に流されればぐだぐだです。舵を握っておいて、波も読む。そのためには、ちょっと弱い方が便利なのでした。

 だからといって、天気にまで流されなくてもいいじゃん、ですね。そうかもしれません。そこまで流されてしまうのは、わたしが面倒くさがりだからでしょう。なるべく力は使いたくない。節約主義。ナマケモノ。そんな立場からは、環境の力をおおいに使った方が楽なのです。落ち着く雨が降ってるなら、落ち着き感を愉しめばよいではないか。雰囲気を変えるのがめんどうなので、そうやって言い訳をしていたようです。

 よく言えば柔道。実は、単なる液体。

 できればサラサラな液体の方がいいなぁ。

●◯。。。...

 そんなわけで、わたしはわたしの中に塊を持って書いているわけでもないのかなと思い至りました。流れの方向ぐらいはあるかもしれません。発信者としてはどうかという気もしますが、しゃーなしです。

 実は今日の記事も、全く何も決めずに「とりあえず自分の身のまわりの状況でも書いてみようか」というところから書いていました。駄文です。最近、妙に力の入ったことを書いてしまったので、ひと呼吸おきたかったのです。

 風がびゅっと窓から吹き込んできました。まだ雨が弱いので、すこ〜しだけ、窓を空けています。空は暗く、静かです。オレンジ色のLED電球が机の上で光っていて、おこもり感を演出しています。思いつくままに、手を動かす。なかなかいい気分です。

 今日と明日は台風かな。みなさま、お気をつけて。うまくやり過ごしましょう。

 

 

m(_ _)m

 

 

高野聖・眉かくしの霊 (ワイド版岩波文庫)
 

 

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