meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

島根を離れる、前日に。

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 珈琲館に来ました。やることはまだまだたくさんあるけれど、ひとまずそれはおいておいて、エスケープです。もう、おそらくは最後だから、時間をとってゆったりと書く時間をとっておきたかったのです。明日はずっとドッタンバッタン梱包だとか退去の立会いだとかでテンテコマイでしょう。
 ふぅ、とひと息。この珈琲館にもお世話になりました。平日に休みがあるときで、ちょっと贅沢気分を味わいたいときには、ここに来ていました。みんなが仕事をしている時間の優雅なティータイムに漂う背徳感はたまりません。ゲスですね。京店店午後のセットメニューは大変に豪勢です。ケーキにコーヒーに、サンドウィッチと焼き菓子とアイスクリームもついてきます。お腹いっぱいになります。ほんとに、豊かです。

●◯。。。...

 なにか書こう書こうと思って、書かねば書かねばと思って、書いては消して、書いては消して、このタイミングになってしまいました。3年前の2月に来た松江を離れます。当然のように、定年まで住むかなと思っていた島根を離れます。半年前まで、想像もしていないことでしたが、そうなりました。
 飽きたわけでも、嫌いになったわけでもありません。ふらりと流れ着いた地ながら、わたしはわたしなりに、この土地が気に入っています。西に宍道湖、東に中海、北に島根半島があって、そこを越えれば日本海と、ついでに原発もある。南にはポコポコとした中国山地が広がっていて、雲南や奥出雲。おろちループ手前に売っている舞茸とエリンギは絶品ですし、奥出雲酒造の甘酒は忘れられず、冬場は毎週温泉に浸かっていたりもしました。
 湖や川や山があることが、わたしにとってとても大切なのだということが改めてわかりました。土地に特徴があって、それが目印になって、頭の中に地図ができあがっていく。頭の中の地図は、わたしの安心とか安定につながっていきます。ここにいるのだな、とわかるからなのかもしれません。これがタワーや通りばかりでは、なかなかうまくいかないってのも妙なものです。単に自然が好きなのか。最近は、自分がインドア派なのか、アウトドア派なのかもわからなくなりました。野菜が好きになりました。

●◯。。。...

 いろんなことが重なって、選択がたくさん連なって、話して、納得して選んだら、こうなりました。年末に大家さんからの通知があり、家を出ないといけなくなったこと。仕事の任期が迫っていたこと。職を求めて外に応募して、繁忙期に無理やり東京に出たこと。完全に諦めていた任期の更新が突如目の前に現れたこと。その話を聞いた次の日に、東京の会社から内定が出たこと。
 島根に残る、東京に行く。タイミングがズレて、ズレて、最終的に2つの選択肢を2つとも断ることになってしまった。最後に残ったのは、自然が近くにあるところで、こういう暮らしを続けていきたいという意志でした。それを、なるべく長く、一旦離れても「また戻ってくるよ」と言える場所で営みたいと思った。
 だから、岐阜に行くことにしました。
 田舎とは言いづらいかもしれないけど、それなりに落ち着いた場所にアパートがあります。家賃も高くなったし、通勤時間も長くなるけど、まぁ、なんとかなるでしょう。プランターで少しぐらいは野菜が育てられる場所です。日当たりは今よりずいぶんよくなります。とりあえずバジルとミニトマトを植えたいなぁ。

●◯。。。...

 移住が定住にならなかったことについては、なんだかとても申し訳がない。仕事に残れなかったことについても、同じくです。残って欲しいと何度も言われました。完全にタイミングの問題でした。そして、外に出るか、という気持ちを起こしてしまった、そのきっかけができてしまったことが、大いに影響しました。
 100%完璧にマッチする仕事なんてそうそうないように、不満がない地域に出会えることなんてめったにありません。出よう、となったら、出る理由に困ることもない。どんどんブレーキは踏みづらくなっていく。だからたぶん、きっかけをつくってしまわないことです。わたしの場合も、任期がなければ島根に残っていた可能性は高い。もし、定住支援に関わる方が読まれているならば、そのことは意識してもらえるといいなぁ、と思います。外へ出る流れをつくらなければ、わざわざ移住してきた地域から出ようとは思いません。引っ越しだって大変ですし。

●◯。。。...

 それにしても、ほんとに、いい人に恵まれて、暮らすことができました。仕事の人にも送別会を開いてもらったりもして、感謝々々です。気持ちのいい人たちに、たくさんお会いすることができました。
 おいしい食べ物があり、キレイな景色があり、文化が深くて、大切に愛されている。ここは本当に豊かな土地です。給料水準は低くて、日照時間は短くて、冬は洗濯物が全く乾かず、灯油代がかかるし、カビが生えるけど、けど、それでも、ここは豊かです。
 また、遊びに来ようと思う。気持ちのいい季節を狙って。
 ありがとうございました。

 

m(_ _)m

 

 

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

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退職前の、有給消化な日々の過ごし方。

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 先週金曜日が最終出勤日だったので、只今、むりくりいただいた有給を少しだけ消化中です。繁忙期がもうすぐ終わるという頃。出勤した方がいいのだろうなぁ、という気持ちと、とはいえ次も決まってないのに有給残して最後まで勤務し続けるのも妙だなぁ、という気持ちが半々で、自分の中の結論として最後の週は休ませてもらおうってことになりました。
 今日で有給3日目です。土日から数えると5連休目になります。正直、ちょっと暇です。就活って言っても、やることには限りがありますし。やたらに求人情報を見続けるってのもわりと苦しいものです。
 こういうニートな期間、って言っても求職中なので定義的にはニートじゃないんですけども、そんな期間に突入するのも3回目です。慣れは、ありません。月曜日には全く発声していないことに危機感を持ちました。今までが窓口業務だった分、落差がとっても激しい。誰とも会わずに過ごすことの難しさを改めて感じています。ひとり暮らしじゃないのが救いです。
 とりあえずは引っ越しの準備をしたり、保険が切れる前に歯医者に行ったり、クレジットカードをつくっておいたり、できてなかった事務手続き関係をもさもさとやりつつ日々をやり過ごしています。1日の時間が意外と短くて、読みたかった本や半年ぐらい前udemyで買ったphythonのデータサイエンス講座とかに手が出そうで出ていない。そう考えるとやっぱり自堕落な生活をおくってるような気もします。
 こういうときのポイントはルーティンワークをつくることです。毎日、決まった時間にやることを淡々とこなす。これができていれば、それなりに生活リズムを保てます。あとは昼寝をしないことと、身体を動かすこと。昼寝はラスボスです。13時から15時をいかに過ごせるかで、1日の充実感が決まります。ほんとに。

●◯。。。...

 フリーダムってのは爽快なのだ、と、無邪気に思っていた頃がありました。実際、将来に対する不安がなければ、爽快なのかもしれません。けども、そうそううまくいかないのが現実だったりするのです。不思議なことに、さぁどうぞと、時間をどかんと差し出されたはずなのに、夏休みがいつの間にか終わってしまうように、気がつくと夜が来てしまいます。
 自由というのは本当に難しい。のんべんだらりとした時間を自分で区切ることの大切さを、再度噛みしめています。そして、同時に、これまではやることを貰ってばっかりだったのかもしれんなぁ、などと省みています。(いや、そうでもないな。任期ありのスタッフのくせに、なんじゃかんじゃやってたわ)

 

m(_ _)m

 

 

安心ひきこもりライフ

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