「 いがもこじょ 」のよっちゃんからイロトリワークショップの招待状が届いた。もこじょってのは木
工女子の略。伊賀で木工する女子だから「 いがもこじょ 」なそうな。いやはや。実は、今週はこの招
待状が嬉しくて、嬉しくて、なかなか他のことに頭がまわらないぐらいだった。うまく書ける気もしない
のだけど、少し、ことの顛末を整理してみようと思う。僕がいかに何もやっていないか、ってことを示し
ておきたい、っていう気持ちもあるのだ。
イロトリワークショップは、伊賀に住む木工職人よっちゃんが、1月後半、修行に行って持ち帰ってきた
ものだ。修行先は、岡山県西粟倉村。森林ファンドの取り組みで全国的にも有名になってきた林業先進地
である。僕も投資家の1人で3年前から何度も訪れている。そこに住む職人、大島さんの「 木工房よう
び 」が修行先だった。修行の話は、以下のページにまとめられている。長いけど、その様子がすごく伝
わると思う。
>> 『 レポート 木工房ようび × いがもこじょ の15日間 』
レポートの最後の方で、僕のことにも触れていただいていて、びっくりした。こういうのは、恥ずかし嬉
しいもんで。。。(;・∀・) 確かに2人をつないだのは僕だけれども、それはとても些細なことなのだ。
それをすくって、形にしていったのは、2人の職人と、周囲で支えるみんなだろう。そんなご縁から何か
を起こしていただいたことが、すごく、すごく嬉しい。特にお2人には感謝の気持ちがたえない。
さて、少しずつ本題に入っていく。書いておきたいのは、僕が何をしたか、そして、何をしなかったか、
ってことだ。kimura視点から、今回のことを整理しておくってことだ。
hoz-proについて書き始めると大変長くなるので端折らせてもらう。とにもかくにも、去年の春頃から伊
賀で建築や木工をする活動hoz-proに関わっている。本業でも支援先であるし、ボランティアにもなって
いるというちょっと複雑で深い関係である。サポーターとメンバーの間のようなもんだ。
実はhoz-proに関わりはじめたときには、既に西粟倉との関係づくりをどうしようかと考えていた。ほぼ
同様の領域の活動だと感じていたし、西粟倉の取り組みはhoz-proにとっても参考になるもんだと思って
いた。ただ、どうやって結びつけるかはわからなかった。視察に行きゃあいい、ってもんでもないな、と
うだうだ考えていたのだ。むしろ、いつの間にか混ざっているようにしたかった。テーマが重なるから、
市場も重なってしまうかもしれない。志は同じでも、共闘する体制を築けるかどうかはわからない。とて
もじゃないが、僕にそれを引き受ける力量はない。だから、大仰な「 視察 」にしないことを目指した。
というか、視察ならば、hoz-proが自力で行くことだってできる。自力で行きゃあいい、と思えることを
わざわざ横から出てきてやる必要はないなぁ、とも思うわけだ。
あくまで、ゆるやかに縁をつないでみる。去年の夏に開催したニシアワツアーはそのトライアルのつもり
だった。東京からもいろんな若い人達が西粟倉に来て、遊んで、帰る。その中に1人hoz-proのじろーさ
んを混ぜようとしていた。残念ながらスケジュールが合わず、じろーさんは来れなかったが (´・ω・`)
このツアーのとき、大島さんに伊賀の話もしていた。なんと大島さんのところの弟子が伊賀のよっちゃん
と友達だったってことがわかって驚く、なんてこともあった。そのあと、大島さんとよっちゃんが電話で
話したって話を聞いたから、僕は「 よかったなぁ 」と思ってのほほんとしていた。もう、自分なりに
試行錯誤もしたし、大島さんとよっちゃんが一緒に飲みに行く的な話にもなってたみたいだから、まぁい
つかつながるだろー、って終わらせていたのだ。自分でつながれるなら余計な手出しをすることもない。
まだ僕は状況を理解していなかった。要はいつも通り、まったりしていた。ヽ(´ー`)ノ
状況が変わってきたのは、秋口からである。変わってきたというより、顕在化してきたのかも。あれ?と
感じたときに思い浮かんだのは大島さんだった。伊賀で木工職人の気持ちがわかる人がいない。孤立化し
てそうなよっちゃんの塞がりに切り込めるのは、同じ木工職人しかいないんじゃないか、って思ったのだ。
夏のツアーで体験した大島さんのワークショップの影響もあったかもしれない。大島さんの話はちょくち
ょくしていたから、自然と大島さんを呼ぼうというアイデアが出てきたんだと思う。
とはいえ「 よっちゃんの悩みを聞いて欲しい。相談にのって欲しい 」ってスグに電話できたかと言う
と、そうでもなかった。僕はそんな単純明快な生き方ができる奴じゃない(笑)ウジウジあーだこーだ考
えて、大島さんを呼びたいよ、呼ぶよ、と調整していった。実際電話できたのは、呼ぼうと思った1ヶ月
後だ。日程が決まってからも、本当にいいのかどうか悩んだ。伊賀では急ピッチで建築作業が進んでる。
それを止めてまですることなのかどうか、ってことも含めて。きちんと進められたのはstudio-Lのやまか
どさんが「 やろう! 」って言ってくれたからだ。大島さんを迎えるために、事前の勉強会までセッテ
ィングしていただいた。そういえば、勉強会でちらっとワークもさせてもらって、結果を大島さんに伝え
てたりもしていたなぁ (゜-゜)
そんなこんなで、ドタバタと準備をして大島さんを迎えた。
そっからは、ただただあんぐりと口を空けていたばかりだ。大島さんの仕事に向かう姿勢は圧倒的。全力
投球でくる。想像をはるかに超えてた。よっちゃんの悩みも聞いてもらえたし、しっかりと響いたようだ
った。西粟倉とhoz-proが共闘していく方向も描いていただいた。大島さんにお願いしてよかった、と心
底思ったのだった。
それ以降、僕は全く何もしていない。たまに伊賀に行っては、行き来がはじまったのを嬉しく思うぐらい
で。大島さんのパワーや、それに向かっていったよっちゃんの芯の強さがあってこそのつながりであり、
イロトリワークショップの誕生である。招待状をいただけたのは、身に余る光栄というやつだ。そして、
まだまだ、何かが成ったわけじゃない。ワークショップの実施に向けて、僕は僕で、また何かできること
を、できる範囲でやっていこうと思う。
m(_ _)m