世の中にはいろんなフレームワークというやつがあります。マーケティングとかで定番なのはCostomer、Company、Competiterの3C。広告業界では、AIDMAとか、最近ではAISASとか。この前書いてしまったPDCAもフレームワークのひとつですね。人ってのは、一連の流れを型にはめて理解したいのかもしれません。
うまく抽象化して、区切って、わかりやすくする。シンプルだからパワフルです。他の会社、他の事業、他の分野へと応用ができるようになっています。ひとつの成功事例からノウハウを引き出して新しい事業へと活かす。そんなときにもフレームワーク的な思考をされていることでしょう。区切って枠で捉えてしまうのは、とっても便利なのです。
しかし、弊害もありまして。上の例に挙げたようなものに典型的にあらわれているのが、フレームワークのガチガチ化というやつです。堅くなってしまって、かたっ苦しい。フレームは枠ですので、枠にはまらない情報を嫌いがちです。顧客でもないし、自社でもないし、競争相手でもないような登場人物とか、とてもじゃないけど顧客にならなさそうな「その辺のおっさん」なんて情報は3Cでは扱えないかもしれない。この枠外れ情報をも捉えてしまえることが、実はフレームワークを使いこなすポイントだったりして、なにがなんやらでございます。その辺のおっさんを3C分析に入れる必要があるかどうかは置いておいて。(;´∀`)
つまりはフレームに流されているとお堅くなってしまいますよということです。では、どうしましょうか。ひとつフレームを動かして遊んでみませう。
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オススメしたい遊びはこちら。「フレームワークにプラスワン」です。マイナスワンでもいいと思います。状況に合わせてアレンジしてください。あんまり増減する数を増やすとわけがわからなくなるので、そこはご注意を。
考えることは簡単です。3Cなら、3Cにプラスするもうひとつの「C」を考えるとしたら、何になるかな?と自分に聞いてみてください。3Cなら4Cにしてみる。AIDMAならもう一文字加えてみる。そんだけです。
ひとつやってみましょう。桃太郎理論というフレームワークを使ってみます。組織を語るときにたま~に聞くやつです。曰く、組織には、ビジョンを語る桃太郎と、率先して行動する犬、頭をつかう猿、そして和を保つ雉が必要、とのこと。とっても考えさせられる理論です。
なんといっても、ポイントは雉の存在でしょう。前に突っ走る犬の行動力と、ぐぐいっと考える猿の知力だけでは組織は成り立たない。なにせ犬猿の仲ですからね。美しくてやわらかい雉が必要なのです。組織は単なる機能の組み合わせではないのだなと、しみじみ思わせる情緒ある理論だと思います。
さて、ではここにプラスワン。バランスのいい組織に敢えてひとつ付け加えてしまいます。桃太郎一行、この度、事業拡大に伴いまして増員いたします。さてさて、何が入ってきます?
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直感的に答えるのもいいし、立ち止まって考えてもいいと思います。何が見えてくるでしょうか。わたしは、ふっと「哲学者」が思い浮かんでしまいました(笑)。そのあと、いやいや、いくらなんでもアンバランスだろうと自分にツッコミを入れてしまいました。アリストテレスが桃太郎一行に加わったら、、、とりあえず異様ですね。
きっとわたしは、バランスのいい桃太郎一行には「ちょっとした外れ値」が必要になるだろうと思ったのでしょう。桃太郎が描くビジョンは勧善懲悪、イケイケドンドン、鬼即退治です。しかし、そのまま直進してしまうと見失う景色があるでしょう。猿の知恵では足りない。猿は少し欲に正直に知恵を使ってしまいます。もっと超然とした外れ値。動物で言えば、ナマケモノとかがいい線いってるでしょう。きび団子食べるけど、仲間になったとか言わないし、でもなんかついてくるようなやつかもしれません。
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と、こうやって考えてみると、考え方や価値観が思いっ切り出ていることがわかりますね。自分の中で揉んでみるだけでもわりと楽しいと思います。攻撃力重視の人は、ひとりでも鬼退治ができるトラを加入したがるかもしれません。お金の管理を、と考えて銀行マンを入れてみるのもおもしろい。屋久杉とか、富士山とか、モノを入れてもいいでしょう。その理由を見ていけば、どんなことを大切にしているかがあらわれてきます。
もちろん、桃太郎理論に限ったことではありません。PDCAにプラスワンでもいい。マイナスワンで、どれを引くか考えてもOKです。ちょっとのことで、フレームワークは動き出します。意外と、定番よりも「使えるっ」フレームが出てくる可能性だってあります。既存のフレームを信仰してはいけませぬ。真似して、気に入らない部分はアレンジして使う、ぐらいでもいいんじゃないかと思うのです。
ツールはうまく使いましょう。ただし、あんまり自分勝手にはならぬように。わがままオリジナルなフレームは顰蹙を買うだけの可能性が高いことは覚えておきましょう。プラスワンぐらいの揺れがちょうどいいバランスなのかもしれません。
m(_ _)m