11月のはじめに、富山に行ってきた。今から思えば、うまいことコロナがおさまっていた時期に滑り込んだようである。話題のGo toを活用して、それなりに楽しむことができたのは、幸運だった。
前々から、北陸には行ってみたかった。中でも富山は、実はそれなりに縁のある地域で、見ておきたいものもあったのだ。
1日目はとりあえず東海北陸自動車道を突っ走って、新湊まで来た。きっときと市場は微妙。お昼を食べようかとしたけど、そんなにええ感じの店は見つからなかった。値段も観光地価格かなぁ。
橋のたもとの公園に行こうとしたのに橋を渡らなきゃいけなくなっちゃったけど、なんかその勢いで写真撮ってたらおもしろいのが撮れたの図。遠くに立山連峰が見える。
Uターンして橋のたもとの公園に着く。海王丸の帆がはってなかったのは、ちょっと残念。それでもいい景色である。立山連峰はいつも背景にそびえている。
公園の端っこまで歩いた。彩度を上げて撮ると、流石に空の青がわざとらしくなるが、たまにはこうなってもいいかと思う。
場所を移して、雨晴海岸。名前がいい。海に降りられたので、久しぶりに日本海と戯れる。透明度はそれなりに高い感じ。やっぱり太平洋側とは質が違う気がする。とはいえ、じゃあ太平洋側の海をちゃんと見たことがあるかというと、そうでもない。フィーリングの問題。テキトーな感覚。
申し訳程度の鉄成分。ええタイミングなのに、水平とれてないし。
雨晴海岸から北上して氷見に至る。実は氷見に来るのは15年ぐらいぶりで2度目。大学時代に実習旅行で来たことがあった。そのわりに、藤子・A ・不二雄の出身地だったとは知らなかった。あの頃からそういうプロモーションしてただろうか。結局自分がテーマにしていたことしか頭に残っていない。人間の記憶なんて、そんなもんなのかもしれない。
商店街にはちょいちょい藤子・A・不二雄のキャラクターがいる。だけど、鬼太郎ロードみたいに賑わってる感はない。その辺は、境港の観光地化の上手さがあるのだろう。全体的な寂れ感は否めず、反面、それがいい感じって気もする。
忍者ハットリくんのからくり時計は、まぁ、ほんとに何がなんだかわからなかった。なぜかスモークが出続けているので、人形が出てきているらしいが、見えない。5分ほどぼーっとスモークを眺める時間になった。
夕方。海辺に出て、立山をみる。海の向こうにあれだけ大きい山脈がそびえているって、どういう感覚になるものなんだろう。例えば、大昔の人はあの山脈をどういう気持ちで見たのだろうか。生まれたときからそこにあったものだとすると、そんなに違和感なく受け入れていたんだろうか。立山の迫力は、写真では伝えられない。
翌日はまず、高岡の能作に行ってみた。予約も何もしてなかったから、錫食器とかの製作体験も、工場見学もできず。思いつきで動いていると、こういうことにはなる。それでもそれなりに見るものがあって、楽しかった。また来よう。
能作の一角にあった、社員さんの富山おすすめスポットカード。この取り組みは端的に言って、よい。もっと他の会社も真似するべきだと思った。ここでいくつかのカードをピックアップ。お昼ごはんは、能作社員さんがお気に入りのパン屋さんに行くことになった。写真、文章の手づくり感もいい塩梅だった。
高岡といえば、ドラえもんである。全然知らなかったが、どうやら高岡は藤子・F・不二雄の出身地らしい。富山にそんなキラーコンテンツがあったとは。
しかし、空き地にいるジャイアンは結構なキレイさであった。21世紀のドラえもん感が強い。最近は、こんな顔をしてるのねー。
ところでところで、キレイと言えば、富山の公園はなんだかとてもキレイであった。あちこちで見かけた公園は、だいたい小綺麗に整備されている。なんだろう、それだけですごく幸福度が高そうだなぁ、なんて思った。住環境って大切だ。
2日目は短い距離を車で移動して、高岡市街を巡った感じになった。ドラえもんの空き地のあとは、国宝瑞龍寺。砂利じゃなくて芝ってのは、新鮮でかっこいい。定番になっている住職のおもしろ解説を聞く。歴史の深さを感じる。
そんでもって、ドラえもんミュージアム、というか、藤子・F・不二雄ミュージアムにも行ってみた。14歳の頃に描いた手づくりの漫画とかが展示されてて、それなりに見応えがあった。この時代の漫画家って、すっごい仕事ばっかしてるイメージがあるんだけど、うーん、それは手塚治虫のせいかな。
2日目のラストは高岡大仏へ。個人的にここは見ておきたかった。前々々々職(どんだけ前やねん)で、ご縁があったスポットなのだけれど、結局見に行く機会がなく、そのままになっていた。現地に行って、こういう場所だったんだなぁ、と感じる。それだけのために行ったようなものなのだけれど、行けてよかったと思う。
3日目は帰路につきつつ、砺波平野を眺める。残念ながら雨だったが、ギリギリ降り始める前に展望台に着くことができた。間隔をあけてぽつぽつと並ぶ屋敷林。これほどキレイな散居村(学校では散村って習った気がする)の景観は、たぶん、ここでしか見られない。日本の集落は、普通、家がギュッと集まったものなのだ。
ただ、こうなるともう完全にぼくの趣味の範囲だろう。このあと、散居村ミュージアムにも行ったが、まぁ、誰もいなかった。
帰る途中、せっかくなので白川郷にも寄ってみた。駐車場代1,000円とられたのには、ちょっとびっくりした。さすが世界遺産である。日暮れ間際に気軽に滑り込んでしまったのは、失敗だったかもしれない。
茅葺きを見るのは初めてだったかもしれない。見てたとしてもこれほど沢山の茅葺屋根が集まってはいなかったし、まだその屋根の下で生活が営まれているなんてこともなかったと思われる。周辺の山と同化していて、なんだか迷彩のようだった。隠れ里でもあったというし、ほんとにそういう効果を狙っての茅葺きだったのかもなぁ、なんて考えてみたくもなった。また、ちゃんと来て、じっくり見てまわりたい。
帰宅して、お茶漬けかなにかを食べた。いろいろとつまみ食いもしてたし、魚介類はたらふく食べたりもしたし、旅行から帰った夜はサラリとした食事がいい。
あちこち観光スポットをまわったような、それでいて、結構ディープにも味わったような感じの旅行になった。Go to がなければ、こういう旅行には行けなかっただろう。かなりお安くて、本当にありがたかった。
久しぶりに、全く知らない街に行って、知らない方向感覚で動けたのも嬉しかった。今度は福井に行こうか、なんて話もしている。はやく気軽に旅行できるようになるといいなぁ、と思う。
m(_ _)m