meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

感染第3波の中で。

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 連日、日本全国で2,000人を超える新規感染者が出ている。コロナ以降の日本にとって、一番大きな波が来ているのは、感染者数のグラフを見れば一目瞭然であり、報道を鵜呑みにするならば、医療機関も逼迫してきている。その割には、みんな結構冷静で、春のような緊急事態宣言も今のところは出ておらず、流行語大賞へのノミネートを狙ったようなフレーズも生まれていない。
 慣れた、もしくは、慣れてしまった、といっていいのかもしれない。コロナをあんまり気にしない層は気にしない感じで行動するし、気にする人たちは気にして行動する。それぞれの意識の強さに応じて、それぞれがそれなりの努力をして、なんとか日々をやり繰りしている。それはきっと、普段からしてきたことだろう。ぼくらはいつも、多様性の中にいる。

●◯。。。...

 昨日、久しぶりにマスクを買い足した。イオンに売っている、布マスクである。平日は職場で配給された使い捨てマスクで過ごしているから、この布マスクは土日用。さらりとしたつけ心地で、やわらかくて、耳が楽だ。マスクってほとんど開発されてこなかったんだなぁ、と改めて思う。コロナがマスクのポテンシャルを引き出したのだ。
 イオンの一角にはマスクショップコーナーがあって、みんなあれやこれやと物色している。気がつけば、みんなマスクをしていて、レジにはアクリル板が設置されている。なんだか、まるでずっと前からそうだったかのようである。マスクのある日常は、最初ぎこちなく受け入れられて、みんながそれぞれの努力で環境を消化していき、いつの間にか、馴染む術を見出している。思った以上に、人間は柔軟で、しぶといらしい。

●◯。。。...

 このマスクを外せる日が来るだろうか、と考える頻度も少なくなってきた。有効なワクチンがある程度出てきているので、いつかはまた、マスクのない生活に戻るのだろうけれど、どんな生活だったのか、あまり思い出せない。コロナ騒ぎの最中に転職したから、実は職場の人たちのマスクなしの顔をあまり知らない。例えばこの冬をこえて、一気にみんながマスクを外す日が来たなら、ぼくはもう一度、人の顔と名前を一致させるために頭を使わなければならなくなるかもしれない。
 表情のつくり方にも、きっと戸惑うだろう。今は口元が見えてないから、ある意味では、自由に動かしていてよかった。マスクがあれば、ちょっとした悪態も、相手には伝わらない。そういうものが一斉に顕になってしまったり、するのだろうか。
 ただ、なんとなく、みんなでマスクを放り投げる未来は、イメージできない。人類はどうやって、今までの感染症を乗り越えてきたんだろうか、なんて、今更になって思う。

●◯。。。...

 きっと、第三波で終わりだろう。そんな風に思っている。だから、これは終わらないのだと、みんながなんとなく悟ったときに、また強烈な自粛体制に入るのだろう。そうならないうちに、程々の範囲で、おさまってくれることを願う。年末も近づいてきている。お盆は帰省できなかった。できれば、年末年始は帰省しておきたい。

 

m(_ _)m