meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

「婿養子」じゃなくて「妻氏婚」

 姓が変わりました。えーっと、半年程前のことです。変えようと思って変えたわけでもなく、ふつーに考えたら変わった方がいいよなぁ、と思って、それとなく変わりました。調べてみたら名前があるようで、いわゆる「妻氏婚」というらしいのです。
 婿養子に入ったように扱われることが多々ありますし、なんか家族からもそんな目線を受けることがありますけど、そういう意味じゃありません。ただ、妻の氏を名乗っているってだけのことです。女性だって、嫁養子に入る、なんてことしてないでしょ。男性が妻の氏を名乗るのが、そのまま婿養子に結びついちゃうのは、なんだかなぁ、です。文化、慣習、常識、って怖いですね。結構知的な人でさえ、さらっと婿養子に入ったんだなぁ、って解釈しちゃうから、侮れません。

●◯。。。...

 なんで妻氏婚にしたのか、という問いに対しては、なんとなくそういう流れだったからとしか答えられません。明確な意志や意図があったわけじゃない。それも、夫氏婚の方々とほぼ同じ状況だと思われます。たぶん。
 向こうは2人姉妹の長女で、こっちが2人兄弟の弟だったから、そりゃあ自分が譲ってもいいもんだろうと漠然と思っていて、その感情にそのまま乗っかって話が進んでいきました。なんだかんだで慣れ親しんだ自分の姓を離れる淋しさを、しばらくの間、布団の中でしみじみ味わいましたが、とはいえ仕事では旧姓使用。そこまで変わることもなく、今では2つの姓を使い分けるダブルスタンダードを楽しんでいます。2拠点居住とか、2足のわらじみたいな感じです。今風です。
 職場の人に本名がバレてないってのは、ちょっとおもしろいです(人事に届け出るけど、特になんか発表とか周知があるわけじゃないので、知らない人は知らない)。病院とかで呼ばれる名前が変わって、反応に一瞬戸惑うのもオツなもんです。頭の中で解釈しないと自分が呼ばれたのだとわからない。やっぱり、名前って染み付いてます。こういう経験ができるってのも、なんか嬉しく感じたりします。新鮮です。

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 まぁ、だからって、なんか妻氏婚が特別によかったってことでもなく、ふつーに過ごしています。半年も経ってるんで、しっかり落ち着きました。面倒な手続き関係も、かなり片付きました。たぶん、もうほとんど、ない、ハズ。
 手続き関係は、面倒くさかった。夫氏婚の男性陣はほとんどわからないかもしれません。氏名が変わるって、そーとーに面倒くさいんです。市役所には、3回くらい行ったかな。もちろん平日に。婚姻届を出して、その日にマイナンバーカードの氏名変更。旧姓併記の手続きは戸籍ができてからじゃないとできないらしく、2週間後ぐらい間をあけてから本籍地の市役所に戸籍謄本を取りに行き、それから旧姓併記の手続きに現住所の市役所へ行って、さらにそれを持ってマイナンバーの旧姓併記手続きだったか。
 もう順序をはっきり覚えてはいませんが、なんだかんだと各所をまわり、待たされます。その他にも運転免許証の裏書きもしてもらわないといけないし、銀行の氏名変更はゆうちょとUFJをまわって半日潰れました。その後、クレジットカードと、保険と、ふるさと納税なんかも手続きが必要です。めっちゃ有休を活用しました。比較的融通の効く職場でよかった、ほんとに。
 面倒なんで電気の契約とかはそのまんまにしてます。そういうのは、たぶん大丈夫でしょう。この面倒くささは、世の名前変更しない民に知っておいて欲しいなぁ、と思います。頑張りました。もうたいがい大丈夫な、ハズ。

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 というわけで、姓が変わりましたけども、まぁ、なんかふつーです。いつも通り日々を過ごしています。妻氏婚は、今の社会ではちょっとレアみたいなんで、レアな経験をしてみたい人にはオススメしときます。きっと、そのうちふつーになるでしょう。社会がそういう方向に動くのは、きっといいことなんだと思います。



m(_ _)m