Kindleに入っていた本。随分前に、たぶん何かのフェアで安くなっていたのだと思う。買ったまま、いつか読むかな、ってぐらいのテンションでKindleに眠っていた。クラウド積ん読ってやつらしい。そういう話であれば、クラウドの上にもたくさん本が積まれている。
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「国家」が気になったのは、やっぱりロシアとウクライナの話があったからだった。あんなニュースに触れていると、国って何なのだろう、と考えたくもなる。戦争してまで守りたい国があったり、あるいは他人の命を奪ってまで広げたい国があるのは、なぜなのだろうか。
平和ボケ、なのかもしれないけれど、ぼく自身にはそうやって命をかけてまで守りたいものとは思えない。きっと、どこかの国が日本に攻め入ってきたら、ぼくはスグにどこかの平和な国に逃げるだろうし、あるいは、白旗をあげるだろう。
慎ましく、それなりに生きていけるのであればいいと思うが、いや、その慎ましい小市民的生活も、世界的に見れば大変なハイソサエティで、リッチなものなのかもしれなくて、そう考えると、なかなか難しい。でも、身の安全が一番大事だ。
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国家には、NationとStateがある、ってな話があった。Nationだと国民的なニュアンスが強くて、Stateだと領土的なニュアンスが強い。領土ってのは、普段あんまり意識しないのだけれど、国にとってはとっても大事なもんである。土地がなければ、住めない。領土のない国家ってのも、未来には出てきていいんじゃないかと思うけど、とりあえず、今のところはないと考えていいんだろう。
歴史を遡れば、国ってのはむしろ領土だった。ここが自分の土地で、誰かの土地じゃない、ってことが大事だった。自分とこの土地だから、そこで収穫されたもんは自分のものといえる。その収穫でもって、自分たちの生活が成り立っていく。
日本だと、将軍が「その土地はあんたのとこですよ」って保証することが大切だったとか。本領安堵っていうらしい。その保証を得るために将軍の傘下に入る。もちろん、将軍が強くなければ保証にも意味がないのだろう。
土地を奪われる危険を感じない、武力でいきなり俺のもんだー!って言われない、ってのは、思った以上に根幹なのだ。現代の、高度に文明化した社会の中で、武力で奪われない、は大前提みたいなもので、そこが揺らぐと、社会全体が不安定になってしまう。強い将軍、を求めてしまうことにもなりかねなくて、そうすると将軍の暴走を止める術もなくなってしまう。
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国家主義ってのも考えものだ。ナショナリズムは、国家主義だったり、民族主義だったりする。民族主義は、国家が生まれるときに高揚する。ぼくらはひとつのまとまりだよね、ってことで、国家として認められるために、民族が強調される。それはそれで激しいうねりなのだろうけど、まぁ、なんか前向きな感じはする。
他方で、国が不安定になったときにもナショナリズムは高揚する。これは国家主義の方で、国を守らねば、という使命感みたいなものがつきまとう。民族が国家になっただけで、同じっちゃ同じなんだろうけど、なんだろう、既にある体制を何とか維持しようとするってのは、ちょい保守っぽい。
どっちにしろ、大義のために個人がないがしろにされそうな雰囲気があって、ぼくは馴染めない。国家がなくなれば個人の権利が剥奪されてしまう、という理路はわかっていても、だからといって個人の命よりも国家が大切であるとは思えない。思えないし、ナショナリズムがしばしば纏う激しさには嫌悪を覚える。
日本は好きだ。だけど、バランスを欠いてはいけないだろう。
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国のあり方、みたいなのを考える時期が来ているのかもしれない。日本の近くにだって、北方領土もあるし、台湾もある。誰かが生き急いでしまったら、絶妙な均衡にヒビが入って、一気に崩れてしまう可能性もある。
ぼくらはそれを恐れなきゃいけない。臆病になって、どこにブレーキを仕込むかを考えていかなきゃならないんだろうなぁ、と思う。
m(_ _)m