meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

命について考える。

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 帰省を控えた時間。外は雨。今日はひとりで家の中にいる。朝から洗濯を済まして、冷蔵庫の中に残っていたものを食べる。しばらく家をあける。戸締まりをしっかりとして、荷造りをして。今夜の同窓会の時間を気にしながら、パソコンに向かう。
 次の職場は、命に近いところになる。内定の話をもらってから、ずっとそのことを扱い切れずにいる。次は病院勤めになる。きっと、死と生が入り交じるのだろう。
 もちろん、お医者さんや看護師さんのように、最前線に立つ職種ではない。だから、そこまで生死を目にすることもないだろう。ただ、必ずやその気配を感じることになる。それは間違いない。では、その気配の中で、わたしは何を考えたらいいのだろう。

●◯。。。...

 わたし自身は、命に対してとても臆病だ。わたしがどこから来たか知らず、どこにいくのかも知らない。宗教的な信仰心は、あまりない。きっと、意識は消えてなくなるのだろうと思ってはいるけども、それは、とてつもなく怖い。思考もなく、時間感覚もなかった人間が、元に戻るだけ。そうなのかもしれないけど、そうでないかもしれない。わからないし、わかっていても、きっと怖い。
 生まれてくる生命に何と言っていいやらもわからない。無邪気にはしゃぐ友達の子供は可愛い。次世代を大切にしたいとも思う。しかし、では、その命が何なのかと問われても、答えは見つからない。
 わたしには、命に向き合った経験が、圧倒的に足りないのだ。35歳にして、大変に未熟なのだ。まだ、自分自身の扱いにも困っている。困っているうちに、時間だけが過ぎていく。

●◯。。。...

 時間は巻き戻らず、失われた命は返ってこない。日々、痛ましい事件のニュースに触れるたびに、その無念を思う。死者何名、という数字の重みが、やけに重くなった。たぶん、人間っていうのは意外にしぶとく、意外にもろい。取らなくていいリスクをわざわざ取りに行かなくなった。年齢を重ねて、涙もろくはなっている。
 命は大切であると、心の底から思える。ただ、それは、消えてしまう怖さからきたもので、打って出ようとする積極性は見い出せていない。なぜ生きようとするのか、なぜ生かそうとするのか。そんな疑問にもつながる。
 ガハハ系肝っ玉おかん的なテンションでどしっと腰をおろすのもひとつの手だけれど、そればかりではつまらない。来年からの経験も吸い込んで、このぐらぐらを捉えてみようと思っている。そんな余裕もないかもだけど。

 

m(_ _)m

 

 

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