meta.kimura

感情の率直と、思索の明澄と、語と文との簡潔とです。

トイレットペーパー騒動についての雑感というか、落胆。

 この1ヶ月とちょっと。新型コロナウイルスで騒ぎはじめて、マスクの買い占めと転売が起こり、先週はトイレットペーパーも店頭からなくなりました。イベントは中止や延期になって、学校は閉じ、在宅勤務や時差通勤が進む。世の中なんだか物騒です。
 感染症なので、そりゃあ拡大するのは防がなきゃならない。全国の学校を3月休みにしてしまうのは、えらい大胆な手ではあるものの、そういうことも考えなきゃならぬのだろうなぁ、と思いました。この機にテレワークの重要性が認識されたのも素晴らしい。けれど、中にはガックリきてしまうような現象も起こってしまった。
 効果が薄いと言われているマスクについては、まだわからなくはない。飛沫で感染するっていうんだから、口と鼻を塞いだ方がいいじゃろう、とわたしも思っています。ないよりマシ程度でも、あればいい。しかし、しかし。トイレットペーパー騒ぎには、さすがに落胆してしまいました。呆れた。この国大丈夫か、とほんとに思ってしまいました。

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 トイレットペーパーの製造は中国だから、紙は中国から仕入れているから、マスクと同じ原料を使っているから、なんだかんだと理由が飛び回りましたが、どれも正しくはない。その正しくはない情報に踊らされてドラッグストアに殺到し、イナゴのようにトイレットペーパーを買い漁っていくというのは、何ともアホらしい光景です。
 デマの発信源も特定されていましたけれど、いやいや、発信源ばかりに罪があるわけでもないでしょう。広げた人にも不注意、もしくは、悪意がある。単純な善意か、大きな需要を生み出して儲けようとしたのか、何も考えずに拡散したのか、その意図はわかりません。ただ、情報の受け止め方がよかったとは思えない。これはどうしてもそう思えないのです。
 騒動のときにデマや嘘が出回るのはよくあることです。特にSNS登場以降はそういった情報に振り回されてきました。SNS登場以降って書きましたが、もう10年以上も前のことです。振り回されてきた、ということは、何度も経験してきたということです。それなのに、未だに盲目だったことに、危機感をもちます。
 少しは自分で考えよう。因果がどうなっているか、反例はないか。

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 結局、盲目が盲目を呼んで、大きな雪崩になってしまいました。買い占めが起これば品薄になり、それなら不安だからと普段より1つ、2つ、買っておこうとなってしまう。トイレットペーパーなら腐らないし、置いとけばいい。状況がわからない中では、それは確かに正しい。パレートの法則的に考えてみると、衝動的な2割が動いて、比較的落ち着きのあった8割までを動かしてしまった感じでしょうか。
 伊勢志摩経済新聞に「オイルショック時に祖母が大量買いしたトイレットペーパーがこの時期に見つかった」というニュースもあがっていて、そういうのが人間らしいのかもなぁ、なんて思ったりもしました。でもね、それってテレビが主なメディアだった時代で、弾丸理論のときでしょう。マスメディアのメッセージが直接人の心理を貫いていたからの騒ぎだったと思うのです。
 転売ヤーさんの影響もあるでしょう。転売文化が出来上がってしまっている状況をどう考えるかは、また議論が必要な気がします。商社や卸みたいなもんですし、一概に否定していいものかどうか、わたしにはわかりません。市場の失敗な気もしなくはないけども。

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 ひと通り呆れた末に、facebookで友達に、うち余ってるからほんとに必要になったら言ってね、とコメントをしてしまいました。困ってる人がいて、余りがあるなら融通する。それでいいんじゃないかと、思ってしまったのでした。つながりの中にいるって、そういうことなんじゃないでしょうか。

 

m(_ _)m