「働かないおじさん」という言葉をちょくちょく見るようになった。「Windows2000」ってな類語もあるらしい。意味は、年収2000万もらっている窓際族とのことで、そんなレベルの働かないおじさんを抱えることができていた大企業の器の大きさを推し量る。だけども、さすがにそろそろ無理がきているとのことで、徐々にニュース記事に出てくるようになったのだろう。
ただ、ぼくの実感から言えば、はたらかないおじさんより利益的にマイナス要因になるのは、はためいわくおじさんである。正直、はたらかないでいてくれた方がマシだというおじさんは、それなりにいる。たぶん。
本当に対策をとるべきなのは、はたらかない、より、はためいわく、なのである。
語呂的に「はためいわく」を使ったけども、その類のおじさんがかける迷惑は、傍だけには留まらない。極端に言えば、事業が傾くレベルのはためいわくをしてしまうおじさんだっているのである。そんなことができてしまうのだから、本社とか本部機能って怖いなぁ、と個人的には思う。
何とも逆説的な言い方になるが、このはためいわくおじさんの厄介なところは、働いている、という点にある。
本人は至って自然に働いているつもりであるので、プライドがある。意外と誇り高い。さらには、ゴマすりがうまかったりして、意外と経営層から評価を得ていることもある。もひとつ言えば、そのはためいわくが本当に企業にとってのマイナスになるのかは未知数であったりもする。トンガッたアイデアはだいたいが迷惑となるが、ときには成果につながることもある。ただし、成果につながるかどうかは不明である。ここにおいて、多様性は大事、って言葉が都合よく使われたりする。
要するには、本人に自覚なく、外から見ても判定を下しにくい、という特徴がある。そして、働いているが故に、降格や降職などの措置がとりにくい。日本企業の経営ってのは難しい。
どうしたらいいかって話はあるけども、対策があるわけではなくって、困る。経営層の賢明が一縷の望みであるが、それは他力本願。自分が気をつけられることといえば、自分自身がそうならないように意識することぐらいだろうか。
ストレスが一概に悪いわけではないけれど、意味のないストレスにずっと晒されるのも問題だろう。本当ならば、そういう環境下からはさっさと逃げられるようにするべきなのだが、人材の流動にやたらと不寛容な日本では、なかなかそれができない。この文化的な障壁を、もうちょっと低くしてもいいんではないか、とは思う。
m(_ _)m