そろそろかなぁ、まだまだかなぁ。まったく気の抜けない状況ではあるけれど、なんだかピークアウトの様子は見えてきた。新型コロナもここにきて、ようやくダウントレンドになってきている。
シンプルに考えて、新規感染者ゼロが2週間継続すると、まぁそれなりにほっとひと息できるんだと思う。が、それはおそらく理想論だろう。専門家は緊急事態な期間を伸ばそう伸ばそうとするだろうけれど、その意見に従ってばかりいたら経済的困窮によるコロナ関連死がどしどし積み上がっていくに違いない。
だからといって、さぁ経済活動開始だ、よーいドンとなったら、コロナ山をもうひとつ作り上げることになるだろう。一気にやっちゃいけない。そろりそろりと、ゆっくりと、動きをとりはじめないといけない。それって、とっても難しい。
●◯。。。...
こういう回復期にいつも思い出すのは、高校時代、陸上部の先輩から聞いた言葉である。怪我をして練習に出られなくなったときに「いつの間にか治せ」というアドバイスを置いていった。なんの参考にもならんなぁ、とは思ったものの、治ってみれば、まったくその言葉の通りで、「いつの間にか」治っていたのである。
十分な休養によって怪我が完全に治って、いきなりフルパワーで走り出すってなことができるわけがないのは、すぐわかることだろう。怪我を意識しながらも、ちょっとずつ走りはじめて、やっぱり少し痛いなぁ、となって休み、それでもこの動きならできるなぁ、っていうポイントを見つけて、身体を動かす。動いているうちに動きにも痛みにも慣れてくる。治ったというより、怪我が馴染んでくる。そんな感覚になって、気がつけば「いつの間にか」治っている。
スポーツで故障からの復帰をするときの感覚は、だいたいこんな感じになってるんじゃないだろうか。
●◯。。。...
要は、怪我と健康の間に境目がハッキリとあるわけではないってことだ。まずそこをちゃんと知っておかなきゃならない。いきなり完全回復はしない。いきなり百貨店になだれ込んで大混雑やっていいってわけじゃない。
ちゃんとコロナの様子を認識して、おっかなびっくり手を出しはじめなくてはならない。動くときにも、きちんと臆病であって欲しい。マスクはしばらく手放せないだろうし、手指消毒もしっかりするべきだろう。
残念ながら、スッキリとした解放感には浸れない。だけれど、コロナが収束していくときには、きっとこういうソフトランディングが必要になると思う。コロナに打ち勝つのではなくて、コロナが馴染んでいく。
そして、1年後には、ああそういうこともあったよなぁ、と思い出すのだろう。そこまできてやっと、気持ちよく乾杯ができるのだ。
m(_ _)m